11月1日放送
「認知症予防と生活習慣病」
熊本県医師会 宮本 憲司朗 理事


アルツハイマー病の原因の一つとして、Aβ(アミロイドベータ)蛋白が、脳内にまることが解ってきました。
このアミロイドベータを、脳内から除去する薬剤が開発されましたが、発症した後の服用では効果がありませんでした。
そこで遺伝的にアルツハイマー病になる確率の高い人に、アミロイドベータが蓄積する前に服薬してもらえば、発病が防げるのではないかという治験が進められています。

話は変わりますが、生活習慣病である糖尿病、高血圧症、うつ病が、認知症のリスクファクター(危険因子)であることがわかってきました。
これらの病気は様々な原因により、脳にダメージを与え、認知症を発症しやすくしてしまいます。
高血糖は脳内の糖代謝障害を起こし、アミロイドベータ形成や蓄積を促進してしまいます。
降圧剤治療により血管性認知症リスクは軽減します。
ストレスホルモンにより、海馬の萎縮や、アミロイドベータ集積を介して、認知症リスクを増大します。
糖尿病、高血圧症、うつ病の予防・治療は現在、可能ですので、認知症リスクを減らせます。
生活習慣病の予防は可能ですし、発病しても薬物治療や生活習慣に気をつければ、悪化を防ぐことができます。

生活習慣改善で特に重要なのは食事と運動です。
運動はインスリン抵抗性を改善し、身体機能が向上します。余暇活動、社会活動は、ストレスを軽減し、うつ症状を改善します。
野菜や魚を豊富に摂取する食事パターンに気をつけ、複数の栄養素を総合的に摂ることは、生活習慣病の改善や認知症予防につながります。
生活習慣に注意して、生活習慣病を予防することが現在可能な、有効な認知症予防です。
 

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