後藤 祐太
TKUアナウンサー 後藤 祐太 Yuta Goto

福島応援取材?

おはようございます!
実は私、今週1週間、福島に取材応援に来ています!

フジテレビ系列の各県のクルーが持ち回りで担当するFNN取材団で入っています!

昨日は原発から25キロ南の広野町で増税前の商店の取材をしました。
ここは20キロ圏内のエリアのすぐ外側。
いわば人が自由に出入り出来る最前線の町なんです。

人口は5300人。
しかし今現在自宅に戻ってきているのはおよそ1400人。

まだほとんどが避難したり、移住したりでいないんです。

そんな中、ふるさとに戻ってきて、酒屋を営む女性と出会いました。

「復興バブルだってみな言うけれど、そんなのは大きな店とコンビニくらい。地元密着の店の現実を見てください。そんな報道はできないはず。いつくるかも分からない客のためにショーケースを埋めて待ってる。ガラガラのショーケースで待ってても、来たお客さんがビックリするでしょ。かといって売れるわけはないんだから、ほとんどが期限が切れて捨ててしまうの。」

レジの下には期限が切れた飲み物の山。
月で10数万円の赤字だとか。

「復興と増税でダブルパンチって言うけど、そんなのはなんともない。それよりも仕入れては捨て、仕入れては捨ての繰り返し。そっちの方が何倍も辛い。町は人は多くなってるみたいだけど殆どが建設作業員。昔顔を見て挨拶してた人は殆どいなくなっちまった。これが現状だよ。でも赤字になっても、いつかあの人たちが帰ってくるんじゃないかって、今日もショーケースを、満杯にしてしまうんだ。バカだけどこれを止めたら自分がいる意味がないから…」

現実はこうだった。
復興と増税で大変だなって、取材前の自分の浅はかな思いが恥ずかしかった。

「ならば、ぜひその思いを報道させてください」

女性は首を横に振った。

普通ならもっと食い下がって、どうしてもって言うところなんですが、女性の顔を見ると、その気持ちは揺らがないって感じた。

「もう何度もあなたたちメディアに声を張り上げて言ってきたけど伝わらないの。3年間ずっと。もう言うのもバカらしく思えてきた。熊本からわざわざ来てくれてありがとうね。久しぶりに本音を話した。現状を話したよ。こういう人がいるってことを、これが現状だってことをあなたが思ってくれたらそれでいいから!福島は熊本よりも寒いからね!気を付けてね」

地震、津波、原発事故、避難。

環境が変わるのは一瞬でも、それを、元に戻すのは、ほぼ不可能なんですね。

半世紀続けてきた米屋の店主。
「増税?上げるのは上げるが、そんなの痛くも痒くもねー。
上げても上げなくても売れねーんだから。
今日の客はお宅ら3人だけだな。ハハハッ」

取材を終えると、82歳のおじいちゃんは、杖をついて、ゆっくりと自宅に戻っていきました。

福島は今日はいい天気です!

明日もまた更新します。

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