郡司 琢哉
TKUアナウンサー 郡司 琢哉 Takuya Gunshi

熊本地震③ ここで死ぬかと

最初の地震から28時間後に襲った揺れ。
その時私は自宅マンションにいました。

縦揺れか横揺れかも分からないくらい激しく振られ、まさに立っていられない状況に。
一瞬にして電気が消えて真っ暗になり、家具が倒れる音、物が落ちて割れる音、
それに緊急地震速報を知らせるあの不気味な音が交錯していました。

リビングにいた私は、這って窓際にたどり着き、壁にしがみついて揺れが収まるのを待ちました。
窓際に逃げたのは、落ちてくる照明を避けるためです。

結局どれくらい揺れていたんでしょうか。
やがて激しい揺れは収まりました。

真っ暗でしたが、タンスや食器棚が倒れたことは想像ができました。
天井からつりさげていた照明も落ちて、破片がそこら中に散らばっていました。

「死ぬかと思った・・・」

その時、浮かんできた感情は「死ななかった」ということ。
このあと火事が発生するかもしれないし、もしかすると建物が倒壊してしまうかもしれない。
そのとき「助かった」という気持ちにはなりませんでした。

「とにかく外に出よう」

私は携帯電話を探し出し、それをペンライト代わりにして散乱したものをかき分けて外に出ました。

4月16日午前1時25分。
未明の熊本を襲った、のちに「本震」と言われた地震。

外に出てみると、そこは異様な光景が広がっていました。

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