郡司 琢哉
TKUアナウンサー 郡司 琢哉 Takuya Gunshi

熊本地震④ 出社することもできず

2度目の大きな地震の直後、外に出てみると廊下も真っ暗。
エレベーターも止まっています。
ガスのような臭いもしました。
「爆発するかもしれない、とにかく離れよう・・・」

1階まで降りると駐車場や前の道路は命からがら逃げだした人たちでいっぱいになり、
異様な光景になっていました。
お年寄りや小さな子どももいて、みな不安な表情です。
「大丈夫でしたか?ケガはなかったですか?」
近くにいる人に声をかけ、少しでも不安を取り除こうとしました。

電気は20分ほどで復旧し明るさは戻りました。

携帯電話と財布だけを持って家を飛び出した私は電気が復旧したのを見て、
阪神淡路大震災の時に多発した「通電火災」が発生しないか心配になりました。

「1回目に倒れなかった食器棚が倒れ、1回目は比較的落ち着いていた熊本市内が混乱している。
これは14日の地震より揺れの大きな余震に違いない・・・。
益城町は大丈夫か?熊本市内でも被害が出ているかも」

そんな思いを頭の中でめぐらせ、
地震発生後30分くらい経過したころ私は会社へと向かうことにしました。

「地震が起きたらまず会社へ」
普段からそう心がけていた私ですが、
本当に酷い地震が起きたときは自分の命を守るに必死で、簡単に出社することすらできない。

そう教えてくれた地震でした。

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