旅の終わり。
青春18きっぷの一人旅。
復路で下車したのは北九州。
いつか行ってみたかった松本清張記念館です。
歴史、ミステリー、ノンフィクション。
文学の巨人が筆を走らせた居宅が移築されているほか
往年のインタビューや作品に触れることができます。
物書きとしてその緻密さや守備範囲の広さに憧れる人物です。
特に短編作品の構成や、情報のちりばめ方、そのバランスは
ドキュメンタリーや報道特集でもお手本に。
43歳でデビュー。
約40年で1400本を超える作品を残した姿、
とにかく書いて書いて、量産するスタイルにも惹かれます。
2時間たっぷりその生涯を学び、特に印象に残った言葉をひとつ。
生前のインタビュー
「好奇心の根源は?」という問いへの答え。
それは
「疑いをもつこと」
「体制や学問を鵜呑みにしない」
「上から見ないで底辺から見上げること」。
旅の終わりに、なんか力みなぎるこの感覚。
ミュージアムショップで未読の単行本を買い込み
清張片手にガタゴトと電車に揺られて帰熊。
なんだろうこの充実感。
そうそう、わが心の師、寅さんはこんな言葉を残しています。
「旅をすれば、人間誰しも賢くなる。
まあ、中には、そうじゃねえ奴もいるけどね」。