OA
「葉酸について」
葉酸は、妊娠前から摂取することが推奨されています。
水溶性のビタミンである葉酸は、ビタミンB群の一種で、ビタミンB12とともに赤血球をつくるため、造血のビタミンと呼ばれ、DNAやたんぱく質の合成、細胞の生産や再生に関わっており、特に、お腹の赤ちゃんの正常な発育のためには欠かせない、重要な栄養素です。
妊娠前から妊娠初期に十分な量を摂取することで、お腹の赤ちゃんの脳や脊髄の発達異常である『神経管閉鎖障害』のリスクを減らすことが分かっています。
予防のための葉酸摂取時期については、葉酸の働きが有効になるまで時間がかかるため、妊娠成立の3ヵ月以上前から摂取することが望ましいといわれています。
また、妊娠初期以降も葉酸を摂取することで、胎盤の血管の問題をきっかけに発症する『胎盤関連産科合併症』の発症リスクを抑制することがわかっています。
『胎盤関連産科合併症』は、常位胎盤早期剥離・妊娠高血圧症候群・胎児発育不全・早産などの合併症の総称で、一度発症すると出産まで改善しにくく、有効な治療手段がないため、予防が大切になります。
葉酸と合わせてマルチビタミンを摂取することで、
合併症の発症率を減らすことができるといわれています。
厚生労働省では、葉酸を食事で摂取する場合の推奨量を、
成人1日あたり240マイクログラムとしていて、妊娠を計画している場合や妊娠初期には、
食事からの摂取に加えサプリメントなどの栄養補助食品から
400マイクログラムの追加摂取を推奨しています。
葉酸は、緑黄色野菜や果物などに含まれますが、体内にためておくことができないので、毎日、意識してとるようにしましょう。