曜子先生の女性教室

曜子先生の女性教室

毎週火曜よる9:54 OA
知っているようで意外と知らない女性の体について、福田病院の福田曜子先生が皆さんからの質問に答えます。
愛育会 福田病院 産婦人科 福田 曜子先生
OA

「子宮頸がん」

日本では、毎年 およそ10000人の女性が、新たに子宮頸がんであると診断され、年間 およそ3000人の方が亡くなっているというデータがあります。

子宮頸がんとは、子宮の入り口部分である子宮頸部にできる がんのことで、発症年齢のピークが出産年齢と重なり、若い世代の死亡率が高く、母親が子どもを残して亡くなるケースが多いことから『マザーキラー』とも呼ばれています。

子宮頸がんのほとんどは、『HPV・ヒトパピローマウイルス』への感染が原因であることがわかっており、男女ともに感染する可能性のある、ありふれたウイルスで、性交経験のある女性の過半数が感染するといわれています。
HPVに感染したとしても、ほとんどが一過性の感染で、ウイルスは自然に排出されますが、感染が持続した場合は、長い時間をかけて 子宮頸がんに進行します。
自覚症状がないまま進行するのが特徴で、進行すると治療が難しいことから、定期的な検査による早期発見が極めて重要な病気です。

また、原則として、妊娠初期の検査では、子宮頸がん検査が実施されるため、妊娠中に子宮頸がんや、その前段階である『子宮頸部異形成』が見つかることもあります。
もし、子宮頸部異形成と診断された場合は、悪化していないかチェックをするために、定期検査を行いながら経過をみます。
子宮頸がんが見つかった場合は、その進行度やがん細胞のタイプによって治療方針が異なり、場合によっては、妊娠を継続するか、子宮頸がんの治療を優先するかの判断も必要になってきます。

子宮頸がんは、定期的ながん検診による早期発見・治療によって再発率、死亡率を下げることができます。
また、HPVワクチンの接種も推奨されています。

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