木曜日といえばこのコーナー 中継

旬のお店、スポットを生中継!
担当 : 太田弘樹・緒方由美

熊本市北区高平「弘乳舎」

今日は熊本市北区高平にあります、「弘乳舎」という工場にやってきてます!3号線から見える大きなタンクが目印ですが、何の工場かご存じでした?社名が「弘乳舎」ということで実はこのタンクの中、牛から絞られたお乳が入っているんです。その加工品を製造しているんですが、牛乳じゃないんですよ。 詳しい話を伺いましょう、弘乳舎の永原 元生さんよろしくお願いします。この工場では主に何を作っていらっしゃるのですか?

『生乳を使ってバターやクリームなどの乳製品などを作っています。』

実は歴史が長い会社なんですよね?

『明治16年創業なので、140年もの歴史がある会社です。熊本県内、九州各県の牧場でとれた生乳をここで様々な商品に加工しているんです。』

生乳というと牛乳になる前のとれたてのお乳がこのタンクに入っているんですよね?

『そうです、こちらが酪農家から届いた加工前の生乳です。これを殺菌処理したら牛乳となるんですが、この生乳をそのまま置いておくと、”乳脂肪”と”それ以外”の成分に分かれてきます。ちなみにスーパー等で販売されている牛乳の多くは、乳脂肪だけが浮いてこないように脂肪の大きさを小さくそろえてあります。
弘乳舎では、まず生乳をこのような機械をつかって乳脂肪とその他成分に分離させることを行っています。』

こちらが遠心分離を行って取り出したものですね、2つに分かれるんですね。

『乳脂肪(クリーム)と脱脂乳に分けたものです。この2つをまた別の機械で加工するので、この段階ではまだ途中過程です。』

この後はどのような工程で何の商品になりますか?

『乳脂肪はこの後、クリームとバターになります。クリームの場合は殺菌、エイジングという工程を経てクリーム製品として出荷されます。また、バターは同様に殺菌、エイジングの後にチャーニングというクリームの水分を飛ばす工程を経てから固形のバターになります。』

バターは見たことある人も多いかと思います、看板商品なんですよね。

『弘乳舎といえばバターと言われることもありますが、メインは業務用の20KGバターやポンド(450g)バターになります。一部でくまモンのバターを市販で販売してます。これらバターは牛さんから絞られて72時間以内に加工しています。弘乳舎のバターは色が白く、比較的すっきりとした味わいが特徴です。 』

こっちのクリームの部分は何になりますか?

『業務用の1Lパックなどに入っている生クリームの原料、洋菓子の原料、またプリンなどのデザートの原料として使用されています。』

そしてもうひとつのこちらは?

『乳脂肪以外の部分の「脱脂乳」は、殺菌後に水分を調整し濃縮されます。濃縮されたものを”脱脂濃縮乳”といいます。 脱脂濃縮乳を製品として出荷もしますが、さらに脱脂濃縮乳を噴霧器という高温の熱風で乾燥させて”脱脂粉乳”を作ります。』

こちらも2つの乳製品に分けられるんですね。この2つも工場からご準備いただきました。まずこの液体状のほうは?

『脱脂濃縮乳と言いまして、一般向けではなく業務用として取り扱っているものになります。ヨーグルトや乳飲料の原料として使用されています。』

どんな会社が取り扱っているんですか?

『詳しくは言えませんが、某大手カフェショップなどでも・・・使われているらしいです。』

そして4つ目、これは粉状ですね!

『脱脂粉乳と言いまして、お菓子などの材料に用いられるものです。こちらも一般向けではなく業務用のみの取り扱いです。』

ということは、もしかしてこちらも・・・?

『こちらも詳しくは言えませんが・・・大手乳業メーカーなどでも・・・使っていただいてます。』

そういえば英太郎さん、このコロナ禍で学校が臨時休校になったことをきっかけに「牛乳の廃棄問題」がニュースで話題になりましたよね?覚えていますか? 実はその裏で日本の酪農業界を支えていたのが弘乳舎なんです。行き場をなくした牛乳たちがこの工場で生まれ変わっていたんですよね?

『牛乳に加工される予定だった生乳を九州だけでなく、日本中から受け入れていました。牛乳だと賞味期限が短いため、賞味期限が長い加工品にすることで廃棄を回避する努力をしてきました。』

どれくらいの生乳を受け入れていたんですか?

『コロナ前は年間で3万トン受け入れていたんですが、去年は4万2000トン、だいたい牛乳パック1200万本分の生乳が廃棄を免れました。特に今年は値上げの影響で買い物需要も減っており、GWごろまでは工場フル稼働で作業していましたね。 』

見えないところで大変な苦労があったんですね。その分私たちは加工された美味しい乳製品を食べることで酪農業界を支えていきたいですよね。ただですね、弘乳舎の乳製品はこれだけではありません!中継後半はこの暑い夏に食べたい乳製品を紹介します!

前半はバターの加工を主にお見せしましたが、まだまだあるんです見てください!こちら弘乳舎で作っているアイスやデザートなんです!熊本県民ならなじみある商品もあるでしょ!

『アイスは現在14種類ほど製造しておりまして、先ほどお見せしたバター、クリーム、脱脂粉乳や脱脂濃縮乳などを混ぜ合わせて作っています。材料を混ぜたら一晩寝かせまして、こんな感じでパックに詰め、冷やして出荷しています。』

今この映像で作られているのは?

『デコポンサワーアイスです。ヨーグルト風味にさっぱりめの甘さが特徴です。』

こんな感じでいろいろな種類のアイスを作っているんですね。それにしてもバニラ味だけでも複数種類があるんですね?この違いは?

『アイスと言ってもいくつかジャンルに分かれていて、乳固形分などの違いで決まります。こんな感じでアイスクリームが最も濃度が高く、その分味も濃いんです。』

今回はそのアイスクリームの中でイチオシ商品がスタジオに届いていると思います!食べてみてください!

九州そだちアイスクリーム 各種240円(メーカー希望価格)

やっぱりアイスクリームになればなるほど高級ってことなんですか?

『そうですね、ラクトアイスなどに比べるとお値段は上がりますが、実はその分栄養価も高いんです。
アイスの種類別を気にして選ぶ際は、アイスクリーム又はアイスミルクのものを選べば、牛乳と近しいカルシウム分やたんぱく質などの栄養素が摂取できる可能性があります。』

そして先ほどのバターを使ったお菓子もあるんです、こちら!

「九州そだち 阿蘇山麓塩バタどら」210円(メーカー希望価格)

こちらはどこで購入できますか?

『一部のスーパーでも取り扱いはありますが、工場横の事務所にある直売所でも販売しております。こちらではアウトレット品や、イベントなどで直売所でしか買えない商品、お得な商品がありますよ。』

業務用アイスまであるんですね!これは家族が喜びますね~!

『熊本また九州は全国でも有数の酪農地域です。酪農家さんが一生懸命に育てた牛さんから頂いたおいしい生乳をバター、アイスなどのおいしい乳製品にして皆様にお届けできるよう頑張っていきますので、応援よろしくお願いいたします。 』

弘乳舎
住所 熊本市北区高平3-43-2
TEL 096-344-7211
営業時間 9:30~16:30
定休日 土日祝
駐車場 5台
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