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図書室から若い世代に伝えたい戦争と平和とは(熊本)

普段は、小・中学校で図書室の先生として働いている男性。
この男性には、もう一つの顔があります。図書室から若い世代に伝えたい戦争と平和とは。

【児童ON】
「最初はグーしてじゃんけんポン!じゃ次」「何探しているの?」「これがいい」
(Q、図書室のどんなところが好き?)「本がいっぱいあるところ」
(Q、図書室の先生は優しいですか?)「はい」
玉名郡和水町の菊水小学校と菊水中学校の図書室の先生、高谷 和生さんです。

【菊水小学校 高谷 和生 司書補助】
「本をたくさん読んだ人を表彰するから。候補になるよ、96冊。頑張って読みましょう」

図書の貸し出しや返却作業、本の管理などが主な仕事ですが、この日、向かったのは3年生の教室。

【高谷さん×児童 やりとり】
児「高谷先生、よろしくお願いします」
高「絵本から戦争を知ろうという時間です。当時の色んなものを持ってきているので、触ったりして。今から76年前」
児「え~」

絵本や当時の道具などを通して戦争と平和について考える特別授業。
教科書で学んだ戦争の物語「ちいちゃんのかげおくり」の風景を再現します。

*着物ともんぺを着る
児童「ちいちゃんに見える」

*鉄かぶとを被る児童
児童「すごい重いです」

中には、こんなものも…。

【高谷さん×児童 やりとり】
高「これはね、熊本空襲でも
落とされた爆弾・焼夷弾です」
児「重~い」
高「だいたいこれが、熊本空襲で2種類1万発ぐらい落とされた」

高谷さんは戦争に関するあらゆるものの調査研究を行う団体の代表で、九州ではその道の第一人者。
考古学が専門で、今も残る戦争遺跡の調査はもちろん、写真や道具などの戦時資料の収集・分析も行っています。
平日は学校勤務があるため、戦争関連の調査研究を行うのは帰宅後か休日の限られた時間。
毎日夜8時に就寝し、深夜に起きて作業を行っています。

【くまもと戦争遺跡・文化遺産ネットワーク 高谷 和生 代表】
「文章を書いたり、原稿を推敲する作業というのは静かな方がいいので、頭もすっきりしているところで作業的には朝方の作業が集中できて作業しやすい」

執筆と同時に、今調べているのは菊池市内にあった特攻隊の宿舎で撮られたという
写真について。
「写っている特攻隊員が誰なのか知りたい」という依頼です。

【高谷 和生さん】
「(特攻隊の)76という振武隊で、この方がこの方なんです多分」「この軍人さんたちの特定ってとても難しくて同じ服を着てるから。(依頼者は)ずっとこの写真をお持ちで、引っかかっておられて、何らかの形で慰霊したいというお気持ちがあって。一つの写真から部隊まで行きつくのも大変なんですけど。基本的には私は断らないという考えなので」

戦後76年がたち、戦争のことを知る機会も少なくなる中、未来を担う子供たちに向け『出前授業』を行うことも。

【高谷 和生さん】
「これは、今みんながいる楓の森小学校。楓の森小学校は飛行場の中にあったの…と。横方向は1・5キロぐらい。縦方向が1・2キロ。飛行場としてはちょっと狭い」

長崎への修学旅行を控えた6年生に地域の戦争の傷痕を紹介し、平和のありがたさを実感してほしいと考えています。

高谷さん「どうぞ!」

*航空服を着た児童登場
【高谷 和生さん】
「ウサギの皮をいっぱい張ってある。ウサギたちも戦争に行きました。航空服の毛皮になりました」

【児童ON】
「自分たちが住む場所に飛行場があったなんて知らなかったので驚きました」
「身近な恵楓園にも爆撃あったことにとても驚きました」

高谷さんがこのような活動を始めて15年。
その膨大な調査の実績をまとめた本が2021年の地方出版文化功労賞・大賞を受賞しました。

【高谷 和生さん】
「戦争と平和っていうのは、私の追いかけていたテーマ。その中で学校教育に関わらせていただくという意味ではありがたい職場だなと。絵本を通して、本を通して、活字を通して、学習支援はもちろん、子どもたちの内面に切り込んでくるような活動を丁寧にやっていくことで十分にかなえていくことができるのかな」

高谷さんは今後も図書室から子どもたちへ、戦争という歴史の事実と平和の尊さを伝えていきます。

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