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熊本地震から5年7カ月『長陽メルヘン村』宿泊施設が再開(熊本)

特集です。
南阿蘇村で6軒のペンションがあった『長陽メルヘン村』は熊本地震で壊滅的な被害を受けました。地震から5年7カ月。この場所で唯一、宿泊施設を再開させたオーナーの思いに迫ります。
【宿泊客とオーナーON】
「ご無沙汰してます。きょうは、ありがとうございます」「お久しぶりですー」

南阿蘇村で11月、営業を始めた小さなホテル『南阿蘇 野ばら INN』の
オーナー、栗原 有紀夫さんです。
この日は、常連客と食卓を囲み新たな門出を祝いました。
「乾杯~」
【南阿蘇 野ばら INN 栗原 有紀夫さん(56)】
「途中、諦めようと思ったんですよ。どうしようも動けなくなったときがあって」

6軒のペンションが集まる「長陽メルヘン村」。
2016年の熊本地震で斜面が崩れ落ちほとんどのペンションは全半壊しました。
栗原さんのペンションも全壊し道路とライフラインも寸断されました。
熊本地震の本震から一夜明けたメルヘン村。
ペンションのオーナーたちは広場に食材を持ち寄って声を掛け合いながら救助を待ちました。

【消防と住民ON】
「孤立集落ですかね?孤立です、道も寸断、水もライフラインも全部アウト」
ケガをした宿泊客は消防隊のヘリで搬送。栗原さん家族も避難所、そして仮の住まいでの生活を余儀なくされました。

「長陽メルヘン村」は村の誘致で開発が進められ1979年に完成。
最初にペンションを開業したのが栗原さんの父・史郎さんでした。
当時、ペンションブームの先駆けで九州では初めての開業といわれています。
その後、栗原さんもペンションの経営に加わり露天風呂や名物・スペアリブで宿泊客をもてなしてきました。常連客も多く、これまでに延べおよそ10万人の宿泊客が訪れたといいます。

熊本地震から4年。
メルヘン村の崩れた道路と斜面は国や県、南阿蘇村が整備し水道や電気も復旧しました。
【今年4月16日・黙祷のサイレン】
そして熊本地震の本震からちょうど5年。
栗原さん家族は完成した新しい宿泊施設で黙祷を捧げていました。

【栗原 有紀夫さん】
「被災後の新しい出会いがなかったら、ここまで来ることは絶対できなかった。出会いが本当に幸運だった」
6軒あったペンションのうち、5軒は移転や廃業。栗原さんだけが現地での再開を決断しました。

【栗原 有紀夫さん】
「途中、ペンションを辞めて、この年でどこかで働こうと思った時期も正直あった。『再開したらすぐ泊りに来ます』とたくさん言っていただいてそれが背中を押した」

先週土曜日。ようやく営業の許可が下りた栗原さんの宿泊施設ににぎやかな声が戻ってきました。
【客と栗原さんやり取りON】
「ご無沙汰しています、きょうは、ありがとうございます」お久しぶりです、元気ですかー」

元の場所に建てられた洋風な施設。コンセプトは『家族でもてなす小さなホテル』です。
ペットの受け入れが可能な客室。見晴らしのよい広いデッキ。料理には地元産の野菜や肉などを使い、食材もこだわりました。
【客室案内ON&料理準備様子など】
【母・邦子さん】
「お客さんにおいしいもの食べてもらわんといかんから」
【妹・祐子さん】
「時が止まっとったけんですね」

オープンを喜び懐かしい写真を持ってきた常連客の姿もありました。
「玄関で毎年、記念撮影をしていた。3月3日だから地震の1カ月くらい前ですね」
工事日程の延期などで予定より半年ほど再開が遅れましたが、この日は常連客3組を招待してのプレオープンです。

【名物スペアリブを食べる客】
【常連客】
「(味は)変わってないですね」
常連客の中には、この場所で出会い結婚した夫婦の姿も。
【食事感想ON】
「(スペアリブ)これを食べに毎回来てたようなものです」「ここで出会って結婚して子どもが生まれて…故郷みたいなものです」

【栗原 有紀夫さん】
「こうやってまた『野ばら』を再開してまた泊まっていただける形を作ることで
なんとか恩返しができる」

熊本地震という困難を乗り越えメルヘン村での再建を果たした栗原さん。
家族とともに被災前と変わらないもてなしとにぎわいを目指します。

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