春高バレー県大会決勝戦 女子は信愛女学院、男子は鎮西が優勝【熊本】
春の高校バレーです。新春の全国大会出場をかけた県大会の決勝戦が18日行われ、女子は信愛女学院、男子は鎮西が優勝しました。「勝利に導いた監督の助言」と「ケガのエースを支えた仲間」、戦いの裏側に迫ります。
女子の決勝戦は熊本信愛女学院と鎮西の対戦。
過去10年中、8度決勝で相まみえ、両チーム4勝ずつとまったくの五分です。
鎮西は第1セット中盤、相手のスパイクを連続でシャットアウト。
試合を、優位に進めます。
すると信愛 堤監督がタイムをかけます。
【信愛女学院堤 政博 監督】
「(相手ブロックが)高いんだったら下に打たんでしっかり当てればいいから」
この指示をアタッカー陣がその後のプレーで忠実に実行します。
エースでキャプテンの南。
【郡司琢哉アナ実況ON】
「キャプテンが打っていく、ブロックの上、コートの外にはじき出していきました」
【解説 中島 健 熊本県バレーボール協会高校部長】
「下に打たずに長いコース長いコースに打っていますね。堤監督の指示通りの
動きができているんじゃないでしょうか」
セットポイントで2年生の迫。
【実況ON】
「決めればこのセットを取るという中で最後は迫のスパイク!ここもたたきつけずにコートの深い位置に落としていきました」
逆転で第1セットを奪うとその後も徹底してスパイクでコートの奥を狙い続けた信愛が続く2セットも連取。
セットカウント3対0で鎮西を下し、3年連続35回目の春高全国大会出場を決めました。
【堤監督】
「やることが中途半端になってその指示は出したんですけど、よく指示通りにやって結果を出してくれました」
【信愛女学院 南 咲良 主将】
「下にたたいたら高いブロッカーがいたので長くたたこうと自分たちでも話してやりました。去年センターコートまで連れて行ってもらって3位という悔しい結果で終わったので、次こそ先輩たちを越えて優勝できるように頑張ります」
男子は5年連続で鎮西と熊本工業の頂上決戦。
まず主導権を握ったのは熊本工業でした。
鎮西のエース井坂を徹底マークしブロックポイントを重ねます。
「ここも井坂をブロックで仕留めました。熊本工業3本目のブロックポイント」
熊本工業がこのセット9本のブロックポイントなどで23対21と鎮西を追い詰めます。
しかし、ここで意地を見せる鎮西は1年生岩下や井坂の得点で逆転しセットポイントをつかむと、最後もエース井坂が決めて苦しみながらも第1セットをモノにします。
「最後はやはりエース井坂太郎」
右肩のケガで万全ではない井坂の打数を減らし、対角に入る松井や岩下を中心に得点を重ねる鎮西。第2セットも取ると第3セットも終盤まで優位に進めますが、熊本工業も最後まで諦めません。
2年生エース前田が気迫のこもったスパイクで連続得点を上げ2点差まで詰め寄ります。
「春高のたった1枚の切符を巡る争い。ここも1本、熊工がしのぎました」
しかし、最後は鎮西のエース井坂。痛みに耐えながらも仲間がつないだトスを最後は決め切り見事ストレートで大会15連覇を達成しました。
【鎮西高校 井坂太郎主将】
「最後はキャプテンとエースとしてこのチームを勝たせたいという意地でした。
(全国での)目標はセンターコート。春高で勝てるように頑張っていきたい」
男女とも、エースの意地や3年生の思いなどが詰まった手に汗握る熱戦でした。
熊本の代表となった2校は年明け1月4日から東京体育館で始まる全国大会に出場します。