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熊本県立大などの研究グループが黒髪校区のため池に水位が確認できる防災カメラを設置

熊本市内では初めての取り組みです。熊本県立大などでつくる研究グループが地域の防災・減災に役立ててもらおうと、黒髪校区のため池に水位が確認できるカメラを設置しました。

【熊本県立大・学術研究員 佐藤琢磨氏】
「地域の住民が大雨の時に見に来なくても、現場を遠隔で見ることができる」

4年前の7月豪雨で甚大な被害を受けた球磨川流域では、熊本県立大などでつくる
産学官連携の研究グループが防災・減災の取り組みを進めています。

その一つが、川の様子を確認できるカメラの設置です。

その映像はスマートフォンなどで見ることができ、大雨の際、地域住民が避難の判断材料として活用。

これまでに球磨村の神瀬地区など7つの地域がカメラを設置しています。
【熊本県立大・学術研究員 佐藤琢磨氏】
「地域の皆さんと一緒にどこに設置するか考えて、皆さんの手元で見ることができるような仕組みづくりをやっています。これを私たちは愛称で『くまカメ』と呼んでいます」

今回、熊本市内に初めて、この『くまカメ』を設置することになり、ワークショップが開かれました。

参加したのは黒髪校区第4町内自治会の自主防災クラブのメンバー。

熊大や県立大の研究者と一緒に地図を見ながらどこにカメラを設置するか話し合いました。

【話し合いの様子】
「ここに1つ付けたい。ため池を監視するカメラを」

自主防災クラブが設置を希望したのは桜山中学校の裏手にあるため池です。
【自主防災クラブ】
「立田山に降った雨水がここに全部集まってくる。昔はこの下流に水田があった。水田を賄うだけの水がここにためられていた」

現在は水抜き用の穴が常に開放されていて、上流からの水をためずに下流へと流しています。
【自主防災クラブ 交野 富清さん】
「流水型の構造になっていて、常に水を下流に流している」

しかし、大雨の際には排水が追いつかず、ため池から水があふれるリスクがあり、ため池の様子を確認できる場所にカメラを設置しました。

カメラの電源は、ソーラーパネルと鉛バッテリーによる自律型で、映像はWi‐Fiを使って伝送しスマートフォンで見ることができます。

【自主防災クラブ・交野富清さん】
「(これまでは)夜でも見に来ないといけなかった。ため池の様子を」
「あのカメラで監視できるのはいい。我が家で確認できるから」

また、熊大の皆川 朋子教授は「黒髪地区のため池には立田山に降った雨が下流の住宅街や白川に一気に流れ込むのを防ぐ治水の効果がある」と指摘します。

【熊大・皆川朋子教授】
「ため池を流域治水に活用しようという取り組みをこの校区ではやられている。
流域治水の先進的な場所だ」
皆川教授は今後、水位計なども設置し、白川への流出抑制効果がどれくらいあるか、
流域治水の視点でも研究を進めるとしています。






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