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『SL人吉』蒸気機関車が4年3カ月ぶりに人吉市に【熊本】

現役を引退したJR九州の観光列車『SL人吉』の蒸気機関車が4年3カ月ぶりに人吉市に戻ってきました。

肥薩線沿線の八代市、球磨村、人吉市を陸路で運ばれる様子に密着しました。

【岡崎 宣彰 記者】
「こちらは人吉駅です。トレーラーに載せられて58654号機の一部が4年3カ月ぶりに人吉に帰ってきました」

1日午後6時すぎ、大型トレーラーがJR人吉駅隣りのスペースにやって来ました。

載っているのは『SL人吉』の蒸気機関車・58654号機の石炭や水を積んでいた炭水車の部分です。


58654号機は、1922年、大正11年製造で、『ハチロク』の愛称で親しまれ、JR九州の観光列車『SLあそBOY』や『SL人吉』として延べ90万人以上を乗せて走ってきました。

しかし、製造から100年を超え、ことし3月、現役を引退。

人吉市に譲渡するために、9月2日にJR九州の小倉総合車両センターに運ばれ、分解作業が行われました。

車体は、炭水車や運転席、動輪やボイラーに分けられ、大きな動輪やボイラーの輸送は1日夜から2日早く、福岡から熊本にやってきました。

【渕上洋平カメラマン】
「午前3時です。八代市に『SL人吉』が帰って来ました」

八代市の国道3号線には鉄道ファンも駆け付け、その様子をカメラに収めていました。

【鉄道ファン】
「ハチロクを見られてよかった。無事に人吉に着いてほしい」
【鉄道ファン】
「今まで4年3カ月の分、いっぱい良くなってほしい」そして、車両は芦北町を通り、雨が降る中、球磨村へやって来ました。

【岡崎 宣彰 記者】
「こちらは球磨村です。58654号機が車で運ばれ、球磨川沿いを走っています」

肥薩線は、2020年7月4日に起きた豪雨の影響で、今も一部区間で運休が続いていて58654号機は『SL人吉』として、その前日まで肥薩線を走っていました。

人吉市に58654号機が帰ってくるのは4年3カ月ぶりです。

人吉市は、2日から58654号機の組み立て作業を行い、「102歳」の誕生日を迎える11月18日から一般公開を予定しています。

【人吉市 松岡 隼人 市長】
「肥薩線を走っていたSLがよく帰ってきてくれたという思いと共に復旧復興を「けん引」していってほしい」

人吉市は、一般公開の前日の17日には、関係者を集めたお披露目式を開く予定で、今後は格納庫を整備し、圧縮空気を動力とした動態保存を検討しています。

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