去年９月、熊本市西区の自宅で父親の頭をバールで複数回殴るなどし殺害した罪に問われている男の裁判員裁判が熊本地裁で始まりました。

２日の初公判で男は、「間違いありません」と起訴内容を認めました。

起訴されているのは、熊本市西区八島の無職、前田 翔 被告です。

起訴状などによりますと、前田被告は去年９月、同居していた父・前田 憲一郎さんの頭や顔をバールやコンクリートブロック片で複数回殴り、殺害した罪に問われています。

２日の初公判で前田被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

冒頭陳述で検察は「被告は、母親が死亡したのは父親から受けていたストレスが影響していると考え、恨みを募らせていた。母親の死後、父親から家を出ていくよう言われ、母親が生活していたスペースを汚されることを阻止しようと殺害を決意した」と述べ、「身勝手かつ短絡的な動機である」と指摘しました。

これに対し、被告の弁護人は「母親との思い出が詰まった家を守りたかったというのが動機の一つ。

犯行後すぐに警察に連絡し、自首している」などと述べました。

また、被告人質問で前田被告は「親戚など周りの人に多大な負担をかけるような大変なことをしてしまったが、父親自身の行動が招いたことで、申し訳ないという気持ちはほとんど持っていない」と話しました。

裁判は１０月３日結審し、７日に判決が言い渡される予定です。