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『菊池事件』再審請求めぐる証人尋問 法学者「憲法違反的再審認められる」【熊本】

ハンセン病元患者の男性が、隔離先の特別法廷で裁かれ死刑となった『菊池事件』の再審請求をめぐり、弁護団が求めていた証人尋問が1日、熊本地裁でありました。

この中で証言した法学者は、「憲法違反を理由とした再審・裁判のやり直しは認められる」と述べました。

『菊池事件』は殺人などの罪に問われたハンセン病元患者の男性が菊池恵楓園などに設置された『特別法廷』で裁かれ、死刑となったものです。

この事件を巡っては、2020年、「特別法廷での審理は憲法違反」とする熊本地裁判決が確定し、男性の遺族が熊本地裁に『再審』、裁判のやり直しを請求。

弁護団は「当時の刑事裁判手続きの憲法違反が再審の理由になる」と主張し、それを立証するため、法学者である内田 博文九州大学名誉教授の証人尋問を求めていました。

1日は、熊本地裁で内田名誉教授の証人尋問が非公開で行われました。

弁護団によりますと、内田名誉教授は憲法違反を理由に裁判をやり直す「憲法的再審は認められる」と証言したということです。

【九州大学 内田 博文 名誉教授】
「被害救済や名誉回復につなげるには再審開始を決定して再審する最高裁の考え方や今までの判例の考え方からいけば、憲法的再審は十分に合理性があって、むしろ採用すべき考え方だ(と証言した)」

【弁護団 徳田 靖之 共同代表】
「これだけの憲法違反があれば、即、憲法の規定を直接適用して再審開始すべきだと(証言してもらった)。裁判所による補充尋問(裁判官からの直接質問)もまさに我々が明らかにしたかったことを前提にしたかのような尋問だったので、裁判所が憲法的再審事由に正面から向き合おうとしていることだけは確かだ」

一方、検察側は反対尋問を行わなかったということです。

再審請求をめぐる次回の3者協議は11月5日で、今後の進行について協議する予定です。

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