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『約束の日』を喜ぶ多くのファン 5年ぶりに復活『カントリーゴールド』【熊本】

南阿蘇村で31年間開かれ、2019年にいったん幕を閉じたカントリーミュージックの祭典、『カントリーゴールド』が10月、5年ぶりに『同窓会』として復活しました。『約束の日』を喜ぶ多くのファンでにぎわった一日を取材しました。

10月20日、熊本県野外劇アスペクタには、心地よくも時折肌寒い風が吹き抜けていた。

午前10時の開場を前に、入場ゲートにはウエスタンスタイルのファンが列を作る。

【チャーリー永谷さん】
「きょうはいろんな人と会える。こんな天気になって、うれしいですよ」

20日は5年ぶりに復活するカントリーミュージックの祭典『カントリーゴールド同窓会』。

秋の装いに交じり、伝説のカントリーシンガーチャーリー永谷さんだけがTシャツ姿だ。

【チャーリー永谷】
「もうだいぶん入りよるですね。きのうはめちゃくちゃ雨でね」

1989年から始まり、国内最大規模のカントリーミュージックコンサートとして愛され続けてきたカントリーゴールド。

2万人を超える観客を集める祭典には、本場アメリカのミュージックチャートを駆け上がった多くのアーティストも出演してきた。

そして2019年、惜しまれつつ幕を閉じた〈約束の日〉が、今年、ファンの企画で、有志による実行委員会が立ち上がり同窓会として復活した。

【チャーリー永谷さん】
「電話がなかったら、全く忘れていた。『最後の〈取り〉だけん、ゆっくりよかたい』て言いよった」

マイペースな88歳のレジェンドは、頼まれていたオープニングの挨拶を忘れ、開演まで1時間を切ってから会場入り。チャーリーはいつだってマイペース。開演10分前に現れても誰も気にしない。

【共演者】
「(チャーリーは)自由人ですから」

【高辻 満男 実行委員長】
「きちんと歌ってよ」「涙で歌詞を忘れたらいかんばい」

のんびりと、気の向くまま、風の吹くまま音に身を任せ、カントリーゴールドは31年間、愛されてきた。

【来場者】
「日頃は派手すぎて恥ずかしいから、ここだけ」「カントリーが大好きで、ここに来るのは初めて。チャーリーさんを楽しみにしています」

【チャーリーさんステージへ~開演】
みんながこの日を待っていた。

【演奏聞かせる】

〈同窓会〉には、7つのバンドが出演。誰もが久しぶりに感じていた「南阿蘇の空と山々にはカントリーがよく染みる」。

【ファン】
「せっかくなら毎年やってもらえれば」「チャーリーさんにも頑張ってほしいです」「前に行って踊れることと、みんな優しい」

会場には2世代のファンも多く訪れていた。

高齢になった親を連れて、孫と一緒に…。

チャーリーさんは〈約束の日〉を支え続けてきた人々をくまなく回っていた。

【チャーリーさん】
「元気ね?」「小さいときから知っとるとよ」

信じられないかもしれないが、チャーリーさんは5年ぶりに会ったファンでも名前とどこの県から来たかをスラスラと口にする。

【チャーリーさん】
(Q、なんでこんなに名前と住所を覚えている?)
「名前を聞いて、住所の番地までは覚えてないけど、東京のどことか、大阪のどことか、町くらいまでは覚えている。昔5000枚も6000枚も暑中見舞いと年賀状を書いていたから」

来場者一人一人に便りを出し、コツコツとチケットを販売してきたチャーリーさん。

70年近いキャリアのレジェンドはファンを『友人』と呼び、アメリカ国内33の州で名誉州民の称号を授けられている。

5年ぶりに立つアスペクタのステージ。31年愛され続けてきた〈約束の日〉が終わることはない。

【チャーリーさん演奏】

【ファン感想】
「言葉が出ないくらい楽しかったです」
「初めてカントリーミュージックを聴いて、素朴な音楽と阿蘇の風景に癒やされました」「北海道・横浜・東京からみんなに来てもらった」

【チャーリー永谷さん】
「ウクライナとかいろいろあるじゃないですか。僕が行って、カントリーミュージックを広げようと思う。そしたら平和になりますよ。プーチン大統領の前で歌ったら絶対平和になる。あと50年は頑張りますので」

平和を願う伝説のシンガーとカントリーを愛する人々の〈約束の日〉はきっと、いつまでも続いていく。

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