『内密出産』について熊本市の慈恵病院は運用開始から約3年間で38人出産【熊本】
母親が一部の職員のみに身元を明かして出産する『内密出産』について熊本市の慈恵病院は運用開始から28日までのおよそ3年間で38人が出産したと発表しました。
蓮田 健 理事長は内密出産で生まれた赤ちゃんのその後の養育環境の整備についても取り組んでいきたいと話しました。
慈恵病院はことし1月から28日までに母親が一部の職員のみに身元を明かして出産する『内密出産』で17人が出産したと発表しました。
これで2021年12月の運用開始以降、およそ3年間の累計は38例になりました。
38例のうち出産後に匿名を撤回したのが14例、内密出産を維持しているのは
24例だということです。
匿名を撤回した14例のうち実の親が養育を希望しているのが8例、
特別養子縁組を希望しているのが6例です。
【蓮田 真琴新生児相談室長】
「簡単に考えて慈恵病院で生ませてもらっているのではという意見もあるが誰1人としてそんな人はいなくて内密出産を選ぶ理由として子どもを守るためというところもありますので私は24人の命と幸せを守ったと思っている」
一方、この1年の間に生まれた後に赤ちゃんが死亡した例があったと明らかにされました。死因は肺炎だったということです。
また、蓮田健理事長は生まれた赤ちゃんの処遇について改めて次のように強調しました。
【蓮田健理事長】
「他の赤ちゃんと同じように家庭的な環境にうつされて早期に特別養子縁組の手配をする流れが理想だと思う」
今後、早期に家庭での養育にうつす福岡や愛知の仕組みを参考にするなどし、内密出産で生まれた赤ちゃんのその後の養育環境の整備についても取り組んでいきたいとしています。