妻に頼まれ殺害…嘱託殺人事件で被告の夫(89)懲役3年求刑【熊本】
60年連れ添った妻を手にかけた被告の男は、法廷で「すまなかった」と声を絞り出しました。
今年9月、熊本市中央区の住宅で妻から頼まれて妻を殺害したとして嘱託殺人の罪に問われた被告の男の裁判で、検察側が懲役3年を求刑しました。
求刑を受けたのは、熊本市中央区の無職、丸山 衛 被告(89)です。
起訴状などによりますと、丸山被告は今年9月、熊本市中央区のサービス付き高齢者向け住宅で、妻・美知子さん(当時83歳)から頼まれ、美知子さんの首をスカーフで絞め付けて殺害した嘱託殺人の罪に問われています。
25日の初公判で、丸山被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。
被告人質問で犯行の動機を尋ねられた丸山被告は、「けがや病気で日常生活も大変だった妻は、『きつい、死にたい』とよく話していた。その苦労から2人で逃れたいと思った」と供述。
また殺害後、自らも命を絶とうとしたが死にきれなかったことを明らかにした上で、妻に対しては「60年連れ添ってきたが、人生をこういう状況にしてすまなかった。安らかに眠ってほしい」と述べました。
その後の論告で検察側は「周囲の助けを得ようとするなど真摯な努力をしておらず、動機には非難の余地がある」などとして懲役3年を求刑。
一方、弁護側は「犯行は被害者の希望をかなえるためで被告も深く反省している」として執行猶予付きの判決を求めました。
判決は1月15日に言い渡される予定です。