豪雨で被災した鶴之湯旅館のかさ上げ完了 2025年中の営業再開を予定【熊本】
球磨川流域では治水対策としてかさ上げ工事が行われています。
八代市坂本町の球磨川沿いにたたずむ老舗宿・鶴之湯旅館の再開に向かう姿を追いました。
八代市坂本町です。
現在、球磨川の治水対策として国の工事の一環でかさ上げが進んでいます。
【鶴之湯旅館 土山 大典さん】
「年明けから瓦を乗せる作業が始まります」
球磨川沿いにたたずむ老舗宿・鶴之湯旅館の4代目土山 大典さんです。
鶴之湯旅館は1954(昭和29)年創業で、2016年に土山さんが引き継ぎ、趣のあるたたずまいの宿と球磨川の豊かな自然を楽しめることから県内外からの多くのリピーター客がいます。
しかし、2020年7月豪雨で被災。
多くの支援を受けて豪雨から1年4カ月後には営業を再開しましたが、かさ上げ工事に伴い、現在は休業しています。
ことし7月、かさ上げに向けて、木造3階建ての旅館をジャッキを使って、1日で30センチほど、ゆっくりと上げていきます。
途中、台風や大雨など多くの心配ごとがありましたが、10月には建物が約3メートルほど上がり、基礎のコンクリートを打ち込むスペースができていました。
【鶴之湯旅館 土山 大典さん】
「かさ上げしているときは不安定な所にあるので、建物に何かあったらと心配していたが、少し安心した」
12月25日には基礎も出来上がり、旅館部分は約2メートル、かさ上げが完了。
年明けから外していた瓦をふき直し、土壁を張るなどの内装工事に取り掛かる予定です。
【鶴之湯旅館 土山 大典さん】
「一人でも多くの人に愛していただける旅館を目指して頑張っていきたい」
土山さんは来年中の営業再開を予定していて、建物の国の有形文化財への登録も目指しています。