天草市出身のテノール歌手、横田 良一 愛され続ける故郷の歌『天草小唄』は今も【熊本】
1月10日は天草市出身のテノール歌手、横田 良一の命日です。死後90年近くたった今も根強いファンを持つ横田。そんな彼にちなんだイベントや学習講座に密着しました。
【『天草小唄』】
『天草小唄』は雲仙国立公園への編入を目指す天草のPRソングとして1933年にリリースされました。
天草を代表する歌として、地元の人に愛され続けてきました。
天草の情景をやさしく歌い上げるのは、現在の天草市、旧・牛深市二浦町出身の
テノール歌手、横田 良一です。
1936年1月10日に24歳の若さでこの世を去った横田ですが、今でも『天草小唄』とともに根強いファンを持ちます。そんな彼の功績をたたえて、毎年開催されているのが『横田良一祭』です。
【天草小唄 歌唱】
『天草小唄』の歌唱やギターの弾き語りなどそれぞれのスタイルで横田良一を表現します。【下司 愉宇起さんステージ】
テノール歌手の下司 愉宇起さんです。おととしから去年にかけて上演された音楽劇
『天草小唄ものがたり』で横田良一役を演じました。
華やかなステージが取りを飾りました。
【来場者】
「いつも来るが、また来たい。よかった」
【テノール歌手 下司 愉宇起さん】
「ふるさと熊本、特に牛深の皆さまに温かくお迎えいただき、本当に幸せいっぱいだった」
天草市全域と苓北町では、夕方の時報で『天草小唄』のメロディーが流れています。
【天草市文化部商工観光課 松崎 義文 課長】
「私たちが国を代表するような美しい島の中に暮らしていること、そして、これまでの先輩方の功績を思い返しながら、夕方の時間、『天草小唄』に耳を傾けていただければ大変ありがたい」
また去年、ある学習講座が企画されました。
【添乗員 宮川 和夫さん】
「天草の景色、まさに『天草小唄』の世界観を堪能できる一日になると思います」
『天草小唄』と横田 良一について学ぶ講座です。
【参加者】
「3歳くらいから天草に来て船で動くときには天草小唄がいつも流れていた。とてもよくて、大好きで」
県内外から9人が参加したこの日の講座には、特別講師が招かれました。
【平野 有益さん】
「横田の時は収録時間の関係で3番を端折っているから、今の苓北町、富岡のところは歌われていないので、レコードで聴けない」
TKUの夕方のニュースで9年間解説を務めた平野 有益さんです。
『天草小唄』を作詞したのは、平野さんの父・雅曠さん。
当時のエピソードを平野さんが語りながら、一行は横田の故郷、二浦町を訪ねました。ここでは、地元の人に今も親しまれているという天草小唄踊りなどを楽しみました。
そして、『天草小唄』でも歌われている崎津集落を見学し、次なる目的地は本渡港です。
ここには、『天草小唄』の歌碑と横田のレリーフが飾られています。
【平野 有益さん】
「最盛期には運動会などでも(『天草小唄』が)歌われたり、踊られたりしていた」
そして旅の締めくくりは、地域の菓子店『木原都堂』。
『天草小唄』の歌詞が刻まれたエビせんべいが販売されています。
【木原都堂 木原 誠司 代表】
「天草にこれといったもの(名物)ができないかと祖父が考えて、天草の人が自信を持って熊本や福岡、大阪・東京に持っていける商品を作りたいと」
『天草小唄』にちなんだお土産を片手に、参加者たちは帰路につきました。
【参加者】
「歴史を感じながら見学して、非常にいい旅だった」「孫とか天草の友達に『(天草小唄)知ってる?この前ツアーに行った』と話題にして、少しでも天草の役に立てれば」
【平野 有益さん】
「天草の現地に来て、ゆかりの場所を訪ねることで、もう一度、横田良一がふるさとに残した歌とか『天草小唄』の歌詞に歌われている各地の名所が再評価されていくのではないか」
【天草小唄】
天性のテノール歌手、横田 良一。その伸びやかで美しい歌声は、これからも『天草小唄』とともに人々を魅了し続けます。