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熊本市議会 庁舎建て替えをめぐる住民投票条例制定案を否決【熊本】

熊本市の庁舎建て替えをめぐる住民投票条例制定案についてです。熊本市の臨時議会は最終日の17日採決が行われ、賛成少数で否決。住民投票は実施されないことが決まりました。

17日の本会議冒頭、30年が経過した阪神淡路大震災の犠牲者へ全員で黙とうを捧げました。

【黙とう】

2024年12月、市民グループがおよそ1万9000人分の署名を集め市長に直接請求した新庁舎建設の賛否を問う住民投票条例制定案。

14日に開会した臨時議会で大西市長は議案を提出したうえで「住民投票条例制定は
必要ない」と反対意見を述べ、議案が付託された総務委員会も同じ14日の審議で
「否決すべきもの」と結論づけています。
一方、直接請求した市民の代表は「却下されることがあれば何のための制度か理解できない」などと述べ、住民投票の必要性を訴えていました。17日の質疑で大西市長は。

【大西市長】
「一定程度納得する人、しない人がいるが、議会で慎重に審議いただき予算案が議決。住民投票条例についても委員会で慎重に審議してもらったと思っている」

また17日は住民投票に賛成、反対それぞれの立場から合わせて9人の議員が登壇しました。

【賛成・井芹栄次議員(共産党)】
「〈(市長は)納得されていないと推察した〉と答弁したが、市民は納得していないのに市民の意見を聴かずにこのまま強行するのか」

【賛成・高本一臣議員(創生熊本)】
「(市長は)住民合意という最も必要不可欠なプロセスを軽んじている」

【反対・古川智子議員(自民)】
「(賛成か反対か)二者選択の投票方法は、その対象が総論か各論かの点も含め本質的な民意が見えない投票になる可能性がある」

【賛成・上野美恵子議員(共産党)】
「市役所建て替えを進めれば市の財政はどうなるでしょうか」

【反対・澤田昌作議員(熊本自民)】
「この状況でこの時期に住民投票を実施せざるを得ない状況には至っていない」

【賛成・松川善範議員(創生熊本)】
「市民の声をしっかり聴くことは民主主義の基本であり、行政への信頼を高める重要なプロセスだ」

【反対・西岡誠也議員(市民連合)】
「この段階での住民投票は混乱が生じるのではないかと思っているので、反対せざるを得ない」

【賛成・菊地渚沙議員(無所属)】
「より広く市民の意思を確認する必要があると考える」

【反対・井本正広議員(公明党)】
「低い投票率で結果が出た場合、正当性が疑問視される可能性がある」

そして、採決が行われました。

【採決】
「賛成の議員の起立または挙手を求めます」

賛成8、反対37。

賛成少数で住民投票条例制定案は否決され住民投票は実施されないことが決まりました。

【住民投票をすすめる会西川文武代表】
「私たちの声がかき消されたという印象。(今後)おかしいところは声を上げていこうと思う」

【大西市長】
「納得を得る努力を真摯に続けることが、市民に誠実に向き合うことになると私自身は感じている」

熊本市は庁舎移転・建て替えへ向かってこれから基本設計、実施設計について業者と今年度中に一括契約を結ぶ見通しです。

市は市民に対しこれまでの経緯や建て替えの必要性への理解が深まるよう取り組むとしています。また今後のスケジュールとしては基本設計・実施設計に3~4年その後の工事に3~4年としています。

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