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熊本の『ライドシェア』スタートして約2カ月 現状と見えてきた課題は【熊本】

熊本でも去年11月にスタートした『ライドシェア』です。ライドシェアとは、二種免許を持たない一般ドライバーが有料で客を送迎できる事業をいいます。

TKUでは去年暮れの宴会シーズン・繁忙期に密着取材。ライドシェアが熊本でどのように走っているのかお伝えします。


【熊本市中央区 下通】
【去年12月20日(金)22時半すぎ 下通りにて・尾谷いずみ】
「年末の熊本市中心部。多くの人でにぎわっていますが、皆さん帰りの交通手段は?」

【タクシー乗り場で・男性】
「タクシーを待っています。午前0時以降はいないらしいです。1時間待ってるとか1時間半待ってるとか、よく聞きます」

【タクシー乗り場で】
Qタクシーいますか?
「なかなかいないです。手を挙げても止まりません」

タクシーがいない、つかまらない・・こうした状況に歯止めをかけたいと熊本でも去年11月にスタートしたのが『日本版ライドシェア』です。

『日本版ライドシェア』はタクシーが不足する地域や時間帯に限り、運行が認められている新しい輸送サービス。

県内ではこれまでにタクシー事業者9社が国交省の許可を受けていて、現在このうちの5社が稼働させています。

【去年11月/出発式 小林 可奈さん】
「乗客の皆さまに安全で快適な移動を提供できるよう努めます」

ライドシェア出発式でドライバーを代表し安全宣言をした小林 可奈さんです。

二種免許は持っていないけれど運転が好きで、車を使った仕事をしてみたいと飛び込みました。

【小林 可奈さん(20)】
「お客さんの通知と会社の連絡だけが入ってくるように設定してます」

小林さんが所属する『タクルー』では客からの予約受け付け、目的地の指定、決済までが可能なスマートフォンアプリを導入しています。

午後8時半すぎ、小林さんのスマホに通知が来ました。出発です。

「緊張するのもあるし、どんなお客さんだろうと楽しみもあります」

小林さんの車を待っていたのはライドシェアは2度目の利用というお客でした。

【客(女性)】
「タクシーのアプリを使っていて、急ぎで呼べるからいいかなと思って」
(Q、タクシーでなくライドシェアにされたのは?)
「あんまりこだわりはなくて送ってくださるなら安全運転なら大丈夫なので」

県内のライドシェア対象地域は熊本市、合志市、菊陽町、益城町、嘉島町です。

運行時間は、原則タクシーが不足する金曜と土曜の午後4時から翌朝午前5時台となっています。

小林さんの車はにぎわう繁華街でお客を降ろしました。

【降車した客(女性)】
Q乗り心地はどうでしたか?「楽しく乗せていただきました。特に運転がどうのこうのというのはなかったです。安心して乗れました」

こちらは去年10月にタクルーが開いた勉強会です。

ドライバー希望者へライドシェアの仕組みなどを説明。
稼働開始前にはドライバーに安全運転や接遇などの実技研修も行いました。

小林さんの車が次のお客を乗せました。

繁華街で会食を終えて帰る男性。ライドシェアを利用するのは初めてだそうです。

【乗客(男性)】
「すごくいいと思います。タクシーなかなかつかまりにくくなってるので、こういうのが増えるとすごくいいと思います」

【車内で・客から小林さんに】
「車両はどうなっているんですか」
【ドライバー・小林さん】
「タクシー会社が貸し出しているんですよ、所属している会社が。会社によっては自家用車を使っているところもあるようです」

乗客から小林さんに質問、小林さんは自然な会話の中でライドシェアの説明をしていました。
【降車した客(男性)】
「タクシー以外にも使えるというのは幅が広がるのですごくいいと思います」

11月に熊本でも始まったライドシェア事業、現在の稼働状況は?

【1月9日・タクルー今村 英敏 代表取締役】
「〈やってよかった〉というのが一番端的な答えでしょうか。夜の人出が増えているのは皆さん実感されていると思うが、それからするとライドシェアはいい働きをしたのではないか」

県内最大手のタクシー会社・タクルーで現在稼働しているライドシェアのドライバーは4人。

去年11月15日のスタートから1月11日まで合わせて18日間の集計では、延べ808回の稼働でした。

ドライバー1人当たりの稼働回数は1日平均13回、この期間の運賃収入は総額およそ147万円です。

週2日、限られた人員と車両での稼働ながらタクルーでは上々の滑り出しと捉えています。

課題はドライバーをどう確保するか。

「やってみたい」という声は寄せられているそうですが。

【1月9日・タクルー今村 英敏 代表取締役】
「お問い合わせはいただくが『今の段階では熊本では金曜、土曜しかできないんですね』と辞退されたりがある」

タクルーの今村社長はドライバーの安全運転教育に力を入れ『タクシー会社が運行する安心安全なライドシェア』として広げていきたいとしています。

【ドライバー・小林可奈さん】
「始まったときは不安が強かったんですけど、やってみれば楽しいですし、やりがいも感じますし始めてよかったと思います」

中国語が堪能という小林さん、いつか挑戦したいことがあります。

【ドライバー・小林可奈さん】
「通訳とかもできればいいな。車を使って、観光客を熊本に遊びに来てくれた人を
通訳して運転もしてあげて(案内する仕事をしたい)」

ライドシェア、夢をのせて熊本を街を走っています。




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