白川大水害の教訓を後世に 児童がハザードマップ機能も備えた標識設置【熊本】
72年前に地域を襲った水害の教訓を後世に伝えるため、行政、地域住民、児童の
3者が連携した取り組みです。熊本市の小学生が、ハザードマップの機能も備えた標識を地域に設置しました。
【大江校区防災連絡会 一木 和彦 会長】
「(白川は)約20年に1回、氾濫する。これからも多分氾濫する。電柱にハザードマップを張ることで、そのことを(見た人に)認識してもらう。非常にありがたい」
これは熊本市立大江小学校の『防災授業』の一環として行われたものです。
1953年6月26日に発生した白川大水害。大江校区では家屋130戸が流され、
200人以上の死者・行方不明者を出しました。
この教訓を後世に伝えようと、国土交通省や地元の防災連絡会などは、去年5月から児童たちに『防災授業』を実施。
児童たちはこれまで、白川大水害を経験した人から話を聞くなどし、当時の被害や
自分たちが今住んでいる地域の水害リスクについて学びを深めてきました。
そして、それらの成果を基に水害発生時に予想される浸水レベルが一目で分かる標識を、行政などと連携して作成。25日、地域8カ所に設置しました。
【児童・地域の人】
「まっすぐなってる?」「なってる?なってる!」「地域の人はこれを見て『ここまで(水が)来たんだ』と分かる。本当にありがとう」
標識には、想定される浸水の深さのほか、熊本市のハザードマップが表示されるQRコードも載っています。
【熊本市立大江小学校6年 田中 美咲希さん】
「自分たちが思っている以上に水害は怖くて、これからもちゃんと防災していかないといけないと感じた」
【熊本市立大江小学校6年 堀田 優子さん】
「こういった身近なものをきっかけに(水害を)知ることから始めて、
自分にもかかわっていることを実感してもらいたい」
行政、地域住民、そして児童。3者が協力して設置した標識は、72年前の水害の教訓を地域の人に伝えていきます。