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熊本市の私立高で不登校「上級生の暴行・暴言が原因」第三者委が報告書

熊本市内の私立の高校で男子生徒が不登校になった問題をめぐり、第三者委員会が「不登校は上級生による暴行、暴言が原因」とする調査報告書をまとめました。

報告書では「学校の私立・公立問わず、手厚いサポート体制を構築すべき」といった県への提言も盛り込まれています。

この問題は2022年、熊本市内にある私立の高校に通っていた当時16歳の男子生徒が、運動部の上級生から暴力や暴言を受けて一時、不登校になり、いじめ防止対策推進法の「重大事態」の目安である30日を超える39日間、学校を欠席。その後も、別室での登校を余儀なくされたものです。

学校は、熊本県からの要請を受け「重大事態」と認定。

弁護士らで構成される第三者の調査委員会を設置し、関係者への聞き取りなどを進めてきました。

報告書は、「上級生による『死ね』といった暴言や暴行が日常的にあった」と指摘した上で、不登校との因果関係について認めました。

県内の私立高校におけるいじめ調査報告書の内容が明らかになったのは今回が初めてです。

また報告書では、県に対して「私立学校で発生した問題を私立学校だけで解決させることを前提とした現在の体制を改め、私立・公立問わず手厚いサポート体制を構築すべき」と提言しました。

【男子生徒側の代理人 板井 俊介 弁護士】
「公立高校で問題が起きた場合と比べて、(私立学校は)県の助言や関与が受けにくい構造になっていて、調査の質、内容に大きく影響するのではないかと(委員の)先生方が実感されたのでこのような指摘をされたのではないか」

今回の調査報告書について被害に遭った生徒側は「学校の対応の遅れは明らかであり、これまでの対応を反省し、具体的な再発防止策を明らかにするよう求める」とコメントしています。

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