『心ちゃん事件』14年 遺族が法要「なぜ守れなかったのか 今も悔しさと向き合う」【熊本】
2011年の3月3日、熊本市のスーパーのトイレで、清水 心ちゃん 当時3歳が殺害された事件から3日で14年です。
なぜ、娘を守ってやれなかったのか。家族は今もその悔しさと向き合いながら、懸命に生きています。
【心ちゃんの父・誠一郎さん】
「(心ちゃんがいるトイレに)ノックもしたし…扉1枚だったんですよ扉を蹴破ってでも入ればよかったノックしたら犯人から『入ってます使ってます』と返事が来ているんですよね」
父が最後に見た3歳の娘はスキップをしながら多目的トイレに向かう後ろ姿。
愛する娘は扉の向こうにいました。
2011年のきょう、清水心ちゃんが当時大学生の男に殺害されたのは熊本市北区のスーパーでした。
わいせつ目的で小学生くらいの子供を物色していた男は、たまたま目の前を通りかかった心ちゃんを殺害し、近くの用水路に遺棄しました。
3日の法要には、県外で暮らす心ちゃんの兄3人も集まりました。
家族で想いを馳せるのは、生きていれば17歳になる心ちゃんの姿です。
【母・ 真夕さん】
「心が生きていたらこのくらいかな、14年がたつのでどんな容姿になっているかどんなものが好きなのかもう想像ができなく妄想で考えて『こうなっているだろうな』と」
今年から母・真夕さんは犯罪被害者とその家族が少しでも生きやすい社会を願い、講演活動を始めています。
そして父はいつか無期懲役の男に面会し伝えたいことがあるといいます。
【父・誠一郎さん】
「(犯人に)伝えたいのは『君がやったことで私たちの家庭はボロボロです』と、『あなたの弟、お父さんお母さん、生きている意味がないと思っているかもしれないよ、その意味を獄中で考えなさい。俺たちのことはもういいから』と伝えたい」
私はこの事件直後から清水さんを取材してきましたが、清水さんはいつも加害者の家族を案じる言葉を述べてきました。
遺族として、子を持つ親として。これからも1日1日を懸命に生きていきます。