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目に見えない脅威と災害に備える 陸上自衛隊 化学テロ想定の訓練【熊本】

有毒ガスや化学テロなどに対応する陸上自衛隊北熊本駐屯地の部隊が、サリン事件を想定した訓練を先日、公開しました。

目に見えない脅威と災害に備える訓練を記者が体験しました

【防護隊】
「発災地は熊本駅構内。改札付近において、サリンと思われる液体を確認。傷病者多数。8特防については除染を実施する」

陸上自衛隊北熊本駐屯地で始まったのは第8師団のNBC部隊第8特殊武器防護隊による化学テロを想定した訓練です。

NBC部隊は、核、生物、化学兵器を検知し、無毒化するなどの除去を行う化学科部隊。

地下鉄サリン事件や福島第一原発に派遣されたほか、2020年7月豪雨では、消毒支援などの防疫活動を担いました。

この日の訓練は、熊本駅構内に見立てた建物で化学剤検知器や識別装置を手にした偵察班が負傷者の元へと向かいます。

【防護隊】
「反応あり、侵入」「(GB)サリン」

運び出された負傷者は除染班に引き継がれ、隊員は衣服を剥ぎ取ります。

化学剤で汚染した体を除染装置で洗い流すことで、90パーセントは有毒剤を除去できるといいます。

熊本 竜太リポート】
「これから訓練用の催涙ガスが充満したテントに進入します」

隊員「無理せずに離脱してください」

隊員「ここで〈報道魂〉が見られますね」

この日の訓練では、防護隊が使用している防毒マスクを記者が装着し、『催涙線香』と呼ばれる煙をテントの中に充満させました。

密閉したマスクをずらしてみると…。

【熊本 竜太リポート】
「マスクを外してみます…」「もう限界です」

鼻の粘膜や毛穴から催涙成分が入り、鼻水と涙が訓練終了後も止まらなくなりました。

「目が開けていられない…」

担当する南九州3県には、有毒物質を扱う化学工場も多く、火山ガスの検知や噴火現場での救助活動も担う第8特殊武器防護隊。

彼らは365日、目に見えない脅威と災害に備えています。

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