熊本市下水道管50年超が全体の1割近く 毎年20~30件道路陥没が発生【熊本】
次は熊本市議会、埼玉県八潮市で道路が陥没しトラックが転落した事故を受け下水道管の現状について議論されました。熊本市では、埋設から50年が経過した下水道管が全体の1割近くある一方でその更新は簡単ではない実情が明らかになりました。
11日の熊本市議会・予算決算委員会で共産党の上野美恵子委員の質問に田中俊実上下水道事業管理者が答弁しました。
【11日の答弁・田中俊実上下水道事業管理者】
「熊本市が維持管理をしている下水道管路の延長は令和5(2023)年度末で
2802キロメートルで、整備から標準耐用年数の50年を経過した管路は231キロメートルであり、全体の約8%となっている」
この50年経過した管路のうち劣化や腐食が判明した28キロメートルを毎年度2.5キロメートルの更新を行っていて、来年度に完了するとしています。
熊本市では2月、西区で道路の陥没が見つかり、先日、市が下水道管に接続する
施設の付け替え工事を行いました。
市によりますと、下水道管に起因する近年の道路の陥没は2019年度と2020年度がそれぞれ23件、2021年度が18件、2022年度が28件、2023年度が29件となっています。
陥没はいずれも数十センチ程度の小規模のものだったとし、原因は汚水ますや接続管などの老朽化によるものということです。
【上野美恵子委員(共産党)】
「毎年老朽化が進むことを考慮すれば更新はほとんど手つかず状態だ。八潮市のこともある。こんな状況でいいのか」
【大西一史市長】
「地下に埋設してある下水道は非常に工事が難しい。また技術を持つ人も昨今不足している。予算をたくさん付けたとしても簡単に10%、20%と上がるものではない。私は日本下水道協会の会長として携わっており、この問題については国にも
いろいろと要望している」
市上下水道局によると新年度予算として計上している下水道管の維持管理費は
58億1900万円、日々の点検や調査を行い、更新工事に取り組むとしています。