平均年齢80歳!男声合唱団が再結成 温かな歌声が多くの人を魅了【熊本】
75年前に結成され、おととし1月をもって活動を休止した男声合唱団が先日、再結成しました。平均年齢は80歳。演奏会では人生の深みを感じさせる温かな歌声が多くの人を魅了しました。
【デメーテル 松本 津紀雄 代表(82)】
「『年をとっても元気に歌えるんだなあと自分もやってみたいなあ』と思ってもらいたい。そういう気持ちで歌う」
2月、熊本市中央区で開かれた『デメーテル』の演奏会です。
【キャンセル待ちの来場者】
「キャンセルの席があるかなぁと不安に思っている」
約370人分のチケットは完売し、キャンセル待ちとなるほどの大盛況ぶりです。
【来場者】
「(亡くなった)主人が最初からデメーテル(の団員)。聴かせようと思って(写真を)持って来た」
多くの人が待ちわびたこの日のステージ。
出演するのは65歳から86歳までの22人で、平均年齢は、なんと80歳です。
「『デメーテル』」は今から75年前の1950年に『デメーテル男声合唱団』として結成。
しかし、団員の高齢化や新型コロナウイルスの流行を理由におととし1月、その活動を休止しました。
しかし、団員たちの「再び、歌う喜びを分かち合いたい」という思いが募り、再結成することに。
この日のステージでは約30曲を披露しました。
一人一人の温かな歌声が層となって奏でられる優しいハーモニーが会場を包み込みます。
中には、多くの熊本県民が懐かしいと感じるあの曲も。
およそ2時間にわたるステージ。
最後は観客もいっしょに歌い、会場が一つになりました。
駆け付けたかつての団員からも喜びの声が聞かれました。
【元団員 橋本 新十郎さん(87)】
「20年ぐらいはいた。ほとんど(一緒に)歌っていた。知っている歌ばかりだから。長く続いてほしい」
それぞれが歩んできた人生の深みを感じさせるような歌声に観客も感動した様子です。
【観客】
「父親が団員としてお世話になっている。長年、人生を生きてきたからこそああいう歌が歌えるのかなと感じた」
【観客】
「感動で涙が出そうだった。元気をもらってこれからまた頑張らないといけないなと思った」
そして、この日のために練習を重ねてきた団員たちも満足気な表情を見せました。
【デメーテル最高齢 田尻 英雄さん(86)】
「まだまだできると思った。高校生ぐらいから歌っている。この合唱団には70年ぐらいお世話になっているが、まだ90歳ぐらいまでやる。頑張る」
【デメーテル 鷹野 哲治 事務局長(81)】
「お客さんが感動して帰っていくのを見て自分自身も感動している。本当にやってよかった。皆さんへの恩返しは計画していきたい」新たな一歩を踏み出した『デメーテル』。
まだまだ夢の途中。
これからも多くの人にその歌声を届けます。