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がんと闘い熊本地震を乗り越えた元・美術教師がつなぎ美術館で展示会(熊本)

葦北郡津奈木町のつなぎ美術館で現在、開催中の展示会。
出品している画家の1人はがんと闘い、熊本地震を乗り越えた元美術教師です。
絵に込められた思いに迫ります。
リアルな質感で写実的に描写された人の『眼』。
現実と空想をまたぐおぼろげな世界へといざなう点描画。
津奈木町のつなぎ美術館で開かれている展示会『リフレクション』は、香梅アートアワードで奨励賞を受賞した蔵野 由紀子さんと佐野 直 さんの二人展です。
【観覧客ON】
「私たちの眼もこうしているのかなと思うと意外ですね」「じっと見ればスッと吸い込まれるような奥行きのある感じがしますね」
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展示会「リフレクションに」出品している熊本市在住の画家・蔵野 由紀子さんは
小さいころから絵を描くのが大好きで大学と大学院では洋画を専攻。
油絵を専門とし、卒業後は高校の美術教師として働いていました。
ところが第2子を出産し、育休中だった2015年、口の中の異変に気付きます。
【蔵野 由紀子さんON】
「口内炎のような痛みがかれこれ1カ月ぐらい治らないというのに気付いて、そんなに目立ったものはないなと思っているうちに、周りが白く膨れたりしていって
リンパにも反応があって。『ステージ4』と言われました」
舌がんの手術は12時間に及び、舌の再建のため皮膚の一部を移植するなど体には
傷跡が残ってしまいました。
【蔵野 由紀子さんON】
「体がどんなふうになったとしても生きていければ、子供の成長が見られれば、そして絵が描ければ幸せだなあって…。見た目が変わったこともそんなに悲しいことではないです」
幸い、リンパ節への転移はなく、最終的にはステージ2の診断に。
死の恐怖と生きていることの奇跡を体験した蔵野さんは、はかなさを憂うことなく
美しく咲き誇る花や植物を今度は水彩で描くようになりました。
そんな時に起きたのが熊本地震です。
【蔵野 由紀子さんON】
「人生って、いつ何が起こるか分からないんだな~って。じゃあ今できることを今しようっていうふうに奮起する気持ちが芽生えてきたので」
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【蔵野 由紀子さんON】
「大型の作品を新しくできた倉庫に移すところです」
*トラックで作品搬出
地震で壊れ、建て直した実家の敷地内には作品を保管する専用の倉庫も造りました。
【蔵野 由紀子さんON】
「すごくきれいに梱包(こんぽう)してもらって、通気性もいいように入れてもらったので、安心しました」
家の中には初めてのアトリエスペースも。
蔵野さんは今、妊娠・出産という人生の転機に体験し、がんと地震を乗り越え、
封印していた油絵に再びチャレンジしています。
【蔵野 由紀子さんON】
「たくさんの人が協力して、力をかしてくれて、どうにか命をつなげることができた。この命を何に使うか。私のやり方は、絵だなと。あのころにはできなかった新しい表現ができるんじゃないかな。次のステージの油絵を探していけたらなと思って」
新作の完成はもう少し先になりますが、蔵野さんの人生そのものを描写した作品が並ぶ二人展「リフレクション」はつなぎ美術館で7月25日までです。

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