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難病抱え声を失うかもしれない大学生の思いに応えて・・・会話ができるアプリ完成【熊本】

難病を抱え、手術で声を失うかもしれない大学生の思いに東京の企業が協力し開発されました。

今後声を失っても、会話ができるアプリが完成し本人の元に届きました。

【アプリの音声】
「大学4年生になりました」
【山本 栞奈さん】
「すごい、自然じゃないですか?」

熊本市の大学4年生山本栞奈(やまもとかんな)さん、26歳です。

筋肉が固まる進行性の難病を抱えながらも、社会福祉士を目指し、大学に通っています。

現在、人工呼吸器を着けていますが今後、病状が悪化した場合、呼吸を確保するための気管切開手術が必要となります。

しかし、手術をすれば声を失う可能性があります。

そこで約1年前、栞奈さんが声を失っても、会話ができるアプリの開発が、メディア事業を展開する東京の企業『サイバーエージェント』の協力で始まりました。

【収録の様子】
「山本栞奈と申します。自分の生きがいは人を笑わせることかなと感じています」

録音された栞奈さんの声のデータを基にアプリに入力された文章をAIが解析・判断。自然なトーンやアクセントで栞奈さんの『声』を読み上げます。

【サンプル音声】
「大学では社会福祉学を学んでいます」
【栞奈さんを支援する ハッピーブレイン 池田 竜太 代表】
「いつも聞く声だなと思う」

開発に当たっては栞奈さんがサンプルの音声を聞いてイントネーションの違和感などが改善されました。

そしてアプリが完成し4月26日に栞奈さんの元に届きました。

【山本 栞奈さん】
「ドキドキしているというのと楽しみと…。自分の声を聞くのは恥ずかしいけど違和感なく聞けたらいいなと思う」

アプリの名前は『Heart Melody(ハートメロディー)』。

「心の声を歌うようにそのまま伝えられたら」という思いが込められています。

【音声】
「この度は約1年間、このプロジェクトにご協力いただき、ありがとうございました」

【山本 栞奈さん】
「すごい、自然」

【ハッピーブレイン 池田 竜太 代表】
「トーンが自然」

親しい人と話すような「雑談風」とかしこまった場で話すような「アナウンス風」、2パターンの話し方を使い分けることもできるということです。

【アナウンス風】
「きのうの晩ご飯は何でしたか?最近断酒頑張ってますか?」
【雑談風】「このアプリを活用して自分の将来が楽しみになりそうです」

【サイバーエージェント 門倉 晴美さん】
「とても素敵な声なので、残すことに貢献させて頂いたことも大変喜ばしい。体調面で声を出すことが苦しいときにも素敵な声を届ける一助になっていければいいなと思う」

【山本 栞奈さん】
「声を残せてよかったなあと思う。親から授かった命と声なので大事にしたいと思って。話すことと笑うことが取柄と言っていいぐらいなので、辛いこともたくさんあると思うけど、きょうよりあした、ひとつでも笑うことができたらいいなと思っている」

いつかその声を失う日が来ても、栞奈さんの言葉は多くの人に元気と勇気を届け続けます。

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