水俣病被害者団体との懇談 「発言制止」で伊藤環境相が団体側に直接謝罪【熊本】
5月1日、水俣市で開かれた伊藤 信太郎 環境大臣と水俣病被害者団体との懇談の席で、環境省側がマイクの音を絞って団体側の発言を制止した問題について、伊藤大臣が先ほど水俣市を訪れ、団体側に謝罪しました。
また、これに先立ち団体側が会見を開き、環境省の姿勢を批判しました。
【水俣病被害者支援者連絡会 山下 善寛 代表代行】
「水俣病の患者さん全体に対して謝罪してほしい」
【水俣病被害者互助会 谷 洋一 事務局長】
「マイクを切るという行為はもう言語道断。許されない行為だと思う」
8日会見を開いた水俣病の患者・被害者団体。
5月1日、水俣市で開かれた伊藤環境大臣との懇談の席で起きた前代未聞の対応に怒りをあらわにしました。
懇談の席では、8つの患者・被害者団体の代表らがそれぞれ3分の発言時間の中で意見を述べていました。
しかし、それを過ぎた団体側の発言に対し、進行役を務めていた環境省特殊疾病対策室の木内 哲平室長の指示で、マイクの音を絞って発言をたびたび制止したのです。
環境省側
「まとめてください」
団体側
「(マイクを)切られた」
「さっき切ったんじゃないの?音量を調整したのか」
【環境省 特殊疾病対策室 木内 哲平 室長】
「不手際。申し訳ありません」
この問題をめぐっては、環境省の木内室長が記者団の取材に対し、「申し訳ない」と謝罪した上で、8日午後、水俣市で会見を開いていた患者・被害者団体のもとを訪問し、直接、謝罪しました。
【環境省 特殊疾病対策室 木内 哲平 室長】
「事務局の判断で、発言している方のマイクを途中で切ったことは大変、不適切でした。関係する方の気持ちを傷つけた。大変申し訳ございませんでした」
そして、伊藤環境大臣は先ほど午後5時すぎに水俣市に入り、『発言制止』問題があった5月1日の懇談と同じ会場で患者・被害者団体側と面会。
出席した団体のメンバー一人ひとりに頭を下げて回り、謝罪しました。
【伊藤 環境相】
「申し訳ございませんでした」
5月1日の懇談の席でマイクの音を絞られた山下 善寛さんは、被害者の声を真摯に聞く場を改めて設けるよう求める要望書を伊藤大臣に手渡しました。
今回の問題について「環境省全体、大臣に責任がある」と述べた伊藤大臣。
被害者の気持ちに寄り添えるよう環境省を是正・指導するとともに3分の発言時間を見直し、意見交換の機会を増やす考えを示しました。