「息子の生きた証し」つなぐ田植え 熊本地震から8年
熊本地震で犠牲となった阿蘇市の大学生の両親が「息子の生きた証し」をつなぐ田植えを行いました。
熊本地震から8年。苗の成長は、今年も両親を楽しませてくれます。
5月5日、田植え機に乗って作業をするのは、阿蘇市に住む大和 卓也さんです。【大和 卓也さん】
「久々だった。去年は(田植え機に)乗っていなくて。晃がいてくれれば自分の代わりに乗ってくれたと思うが、一緒に田植えをしてくれていると思いながら…」
卓也さんと妻・忍さんの次男・晃さんは、8年前の熊本地震の本震で犠牲となりました。
晃さんは前震で被災した友人に水を届け、自宅の田植えを手伝うために帰宅している途中でした。
両親は、晃さんが亡くなる前にモミまきを手伝った苗を育て、実った稲穂から種モミを作りました。
この8年間、晃さんが縁で出会った人たちの手を借りながら、息子が生きた証しをつないでいます。
【大和 忍さん】
「晃がつないでくれた縁。その縁で結ばれた人たちと晃の米を今年つなげられたことはうれしく思う」
【大和 卓也さん】
「まずは植え付けができてまずは一安心。後は水の管理をしながら米が育ち実り収獲となれば…」
阿蘇市の田んぼで風に揺れる小さな苗の成長は、今年も両親を楽しませてくれます。