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伊藤環境相のおわび行脚 水俣病団体側の受け止めは【熊本】

一連の問題を受け伊藤環境大臣は8日水俣市を再び訪問し団体側に直接、謝罪しました。団体側は謝罪の場で伊藤大臣にどんな思いをぶつけたのかまとめました。

【伊藤環境相】
「今回のことを深く反省し環境省全体として皆様の気持ちに沿えるようにしっかり環境行政を進めることを約束する」

8日水俣市を再び訪れた伊藤大臣。まず、水俣病被害者互助会など6つの患者・被害者団体と面会し、出席者一人ひとりに頭を下げました。

意見交換の場では大臣に対して団体側から厳しい声が相次ぎました。

【水俣病不知火患者会 森 正直副会長】
「まだ水俣病は終わっていない。終わっていない。被害者の声を聞かなくて何が環境省ですか」

【水俣病胎児性小児性患者・家族・支援者の会 加藤 タケ子事務局長】
「いま世間では『患者団体が3分間の発言時間を守らなかったのが悪いのではないか』というネットでの攻撃がある。少なくともこんなことが繰り返されないように
『これは環境省の不手際』というところは痛みを持って認識してほしい」

【伊藤環境相】
「しっかり受け止めます」

【水俣病被害者互助会 佐藤 スエミさん】
「3分では水俣病のことは何もわからない。来年からは3分といわず最低10分は被害者の声を聞いてください」

伊藤大臣は、3分の発言時間を見直し、意見交換の機会を増やす考えを示しました。

【水俣病被害者・支援者連絡会 山下 善寛代表代行】
「今日の話を聞いて胸がスカッとして満足だという気持ちは全然ない。68年たっても水俣病が解決していない現実を真摯に受け止めて早急に対策を講じてほしい」

【水俣病胎児性小児性患者・家族・支援者の会 加藤 タケ子事務局長】
「患者の心に向き合ってこれなかった環境省の結果が今回の件を招いたということは
少なくとも伝わってほしい」

その後、懇談の席で発言を遮られた水俣病患者連合の松崎 重光副会長とも面会し、謝罪した伊藤大臣。

松崎さんの妻・悦子さんなど水俣病で亡くなった人たちの位はいに手を合わせました。

【水俣病患者連合 松崎 重光副会長】
「ゆっくり落ち着いて話を聞いていただいて話をしていただければよろしくお願いします」

「改めて懇談の場を設けてほしい」との松崎さんの訴えに伊藤大臣は「最大限努力する」と回答。これに対し、関係者から厳しい声が…。

【水俣病患者連合 永野三智事務局長】
「努力という言葉ではなくてできるか、できないか、するか、しないかは、大臣が決めていい。そういう立場ではないのか」
【伊藤環境相】
「(懇談の場を)設けます」

数か月以内に懇談の場を設けると明言した伊藤大臣に松崎さんは…。

【水俣病患者連合 松崎 重光副会長】
「本当の心で、気持ちで大臣が発言したのか分からない。今回の言葉が本当であれば
次の懇談の場で出てくると思う。そしたら信用する。そうでないと信用できない」

今回の問題で被害者側に刻まれた拭いがたい不信感。

環境省はいま、水俣病に真摯に向き合う姿勢が求められています。





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