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地震で被災しながらも再起をかける店の思い『城見櫓』(熊本)

熊本城を一望できる店として知られる『城見櫓』が4月14日にリニューアルオープンしました。地震で被災しながらも再起にかける店の思いに迫ります。
【城見櫓 林 祥増 社長】
「ここまで来れたこと自体は非常に感慨深いもの」「しっかりオープンできれば」
1987年創業。熊本城を間近に感じながら、郷土料理を楽しむことができる『城見櫓』は、県内外だけでなく海外の客などにも人気で、多い時は年間9万人が訪れていました。
そこに5年前の熊本地震。
【城見櫓 林 祥増 社長】
「瓦が落ちる音や木がぶつかり合う音、すさまじかった。もう地獄みたいな音でした」「うちの備品も器やグラスは木っ端みじんだし、これが動くのというのも全部動いていたので一時だめだなと」
地下1階にあった厨房設備が壊れ、周辺も地盤沈下していて営業継続を断念。
80人いた従業員は解雇せざるを得ませんでした。
しかし当時、総支配人だった林 祥増社長はその時の熊本城の姿を見て決断します。
【城見櫓 林 祥増 社長】
「飯田丸五階櫓があの一本の脚で私たちとともに耐えていたので」「お前たちが頑張らんでどうするんだっていう気持ちで」
店の再開を決意。被災した熊本城を多くの人の記憶に残してもらいたいと、最上階を市民にも無料開放しながら、3カ月後には一部で店を再開させました。
しかし建物へのダメージは大きくおととし8月から休業し再建工事に入りました。
総事業費はおよそ11億円。
地下をなくした地上6階建てで規模も1・5倍に拡大しました。
熊本城をイメージした和モダン。
高さおよそ3メートル、横幅2・2メートルのガラス窓を使用し、天井も5メートルと高くしてどのフロアからも、どの席からも熊本城を見ることができるようにしました。
そして最上階には貴賓室も作りました。
【城見櫓 林 祥増 社長】
「城が見える飲食店として日本一すごいものにしてやるぞ、していきたいと」
そして今回のリニューアルで新たに始める事業もあります。ブライダル事業です。
最大100人が入る和風と洋風の会場があります。
ことし入社した次女・芽衣さんが、ブライダルマネージャーを務め、これからの『城見櫓』をサポートします。
【林 芽衣さんON】
「小さいころから近くに見ていたので、こんなに近くにあるとイメージしていたかったけど、建て替え工事後にこの景色を見てみると、こんなに近くに店を建て替えることをできてありがたいと思ったと同時に、多くの人にこの景色を見てもらいたい」
料理にも変化が…これまでの〈純郷土料理〉だけでなく洋風にアレンジしたメニューを考案しました。
例えば馬刺し。通常ならしょうゆと提供するところを数種類の和風ドレッシングを作り、違った楽しみ方を提案しています。
リニューアルオープンを2カ月後に控えたこの日、新たに雇用した人たちの研修会が開かれました。
絶景に料理、そして、おもてなしとリニューアルに向け準備を整えます。
リニューアルの日は熊本地震の前震から5年にあたる4月14日に決めました。
【城見櫓 林 祥増 社長】
「さっき(午前10時に)サイレンが鳴ったので手を合わせました」最初の客を迎えます。(いらっしゃいませ)
予約してきた限定10組の客でいっぱいになりました。
【来店客】
「期待以上に変わっていますね」「5年たったのを思い出して」「やはり熊本はいいなと思って」
【城見櫓 林 祥増 社長】
「座るまでが序章で、あとはおいしい料理としっかりおもてなし。ますます充実させてどんと胸を張れるレストランになっていくはずです」
熊本城とともに傷つき、励まされながら少しずつ歩んできた5年。
生まれ変わった『城見櫓』は熊本城、そして熊本の魅力を発信する拠点として新しい一歩を踏み出しました。

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