熊本のニュース一覧

特集 豪雨から1年3カ月 人吉旅館がプレオープン【熊本】

去年7月の球磨川氾濫で大きな被害を受けた人吉市にある老舗旅館が、1年3カ月ぶりに一部の営業を再開しました。
「球磨川を嫌いとは言えない」と話す女将の、再開への思いに迫ります。
【人吉旅館 堀尾 里美女将】
「キラキラしてます。きれいに」
客室から球磨川を見つめるのは人吉市上青井町にある人吉旅館の女将、堀尾 里美さんです。
1934年(昭和9年)創業で近代和風建築の建物は、国の有形文化財に登録されています。
【人吉旅館 堀尾 里美女将】
「私たちが球磨川の恩恵を一番受けている。一番受ける半面、被害も受ける。いい時だけ『好き』で(被害を受けて)『嫌い』とは言えない」
懐かしさを感じさせる建物は、去年7月の球磨川の氾濫で甚大な被害を受けました。
【人吉旅館 堀尾 里美女将】
「現実じゃなくて映画を見ているような気がした。絶対、再建はできないと心が折れた」
球磨川の濁流で旅館は1階天井まで浸かり、「再建は絶望的だった」と振り返り、それでも「全国からの支援が心の支えだった」と話します。
【人吉旅館 堀尾 里美女将】
「約2000人がボランティアに来てくださった。たくさんの応援をいただいたので、絶対再建しないと恩返しにならないと思った」
豪雨から1年3カ月、復旧工事が進み、21室のうち8部屋が使えるめどが立ち、10月1日のプレオープンに向け準備が進んでいました。
こちらは名物の一つ美人の湯。
豪雨の影響で一度は止まった温泉ですが、その後の工事で復活し、深さ80センチもある浴槽はベンチに腰かけて入る一風変わった作りもそのままです。
こちらは旅館で出される料理。
朝食には、球磨川の名物アユの干物や地元の野菜を使った料理が並び、夕食にもアユの塩焼きや刺し身など人吉球磨ならではの品が並びます。
また、夕食のメインの鍋は、まるで汽笛を鳴らすSL人吉のように湯気が上がると食べごろで、宿泊客に人気のもの。
一方、新しい人吉旅館は大きく変わるところもあります。
【人吉旅館 堀尾 里美女将】
「奥に見えるのが露天風呂で、今は柱ばっかりですが今まで露天風呂がなく、ほしいなと」
プレオープンには間に合いませんでしたが、内風呂の近くには露天風呂を新たに建設中。
客室も要望を受けて、初めてベッドの部屋を用意しました。
完全復旧にはまだまだ時間がかかりますが、着々と準備は進み、プレオープンの日を迎えました。
【人吉旅館 堀尾 里美女将】
「いらっしゃいませ」
「おめでとうございます」
【客】
「川のそばは本当に気持ちいい。川のせせらぎの音とかいいですね。夏の終わりの涼しさが」
【被災当日宿泊していた客】
「いらっしゃいませ」
「あの折は大変」
「一緒に避難しました」
「あの時(豪雨)の『恩返し』はおかしいけれど、命を助けていただいた女将さんやスタッフの皆さんに対する感謝の気持ち。女将さんに会えてうれしい」
プレオープン当日は、8つの客室は満室。
顔なじみの客が訪れ、営業再開を喜び合いました。
【人吉旅館 堀尾 里美女将】
「ここまで来たことを誇りに思う。たくさんの応援があったから今がある。みんなで精いっぱいのおもてなしをしたい」
人吉旅館は、来年5月の完全営業再開を目指しています。
露天風呂も同じ時期にスタートする予定です。

プッシュ通知でTKUの番組やイベントの
最新情報をお届けします!