「一緒に頑張ろう」と復興支援続けるプロレスラー大谷晋二郎さんが重傷 回復を祈り熊本から応援
熊本地震からの復興を支援してきたプロレスラー、大谷晋二郎さんがことし4月の試合で重傷を負い、首から下が麻痺状態となりました。大谷さんの回復を祈り、熊本で募金活動など応援を続ける人々を追いました。
(2017年4月/益城町立広安西小学校)
熊本地震の発生から1年が経った2017年4月、益城町の小学校で開かれたチャリティープロレス大会です。激しい技の数々に会場は歓声に包まれました。
【大谷晋二郎さん】
「みんな一緒に頑張るぞ!(オー!)頑張るぞ!(オー!)」
【観戦した児童】
「やられてもやられても頑張って立とうとしていてすごい」
そして、2019年には被災者が住む仮設団地でも。
【リングアナウンサー】「2階からのドロップキック!」
東京を拠点にする『プロレスリングZERO1』、チャリティプロレスの開催は地震発生からこれで5回目でした。
【リングアナウンサー】「今、人生の大先輩と握手~」
【観戦した児童】
「負けていたけど、最後は勝つというところが好き」
プロレスラーの大谷晋二郎さん。被災地・熊本をずっと応援してくれています。
【リング上で大谷晋二郎さんが観客に呼びかける】
「きょう、プロレスを見て今まで以上に元気になりましたかー。(はーい)一緒に頑張りましょう」
【大谷晋二郎さん】
「僕が信じているプロレスの力を熊本の方が信じて求めてくれたんです。それはもう立ち上がるしかないでしょう」
【グランピングカフェ・バー ゴング 内田 雄也 代表】
「熊本地震が(2016年)4月にあって、5月にすぐチャリティープロレスをされた。ずっと余震がすごかったので、こわい状況の中、大谷さんが試合前に言ったんです。『僕がプロレスで元気を与える!』と。それを見て、みんな笑顔でわあっとなった。僕はずっとプロレスを見てきて、初めて試合を見て泣いたんです。『僕らも頑張りますので一緒に頑張りましょう』と言ってくれて、今でもずっとそれは覚えています」
【動画/大谷晋二郎さんのかけ声】
「我々も一緒に頑張りたいと思います。これからも一緒に頑張りましょう。スリー、ツー、ワン、ゼロワン!」
(2020年3月/熊本市西区 くまもと森都心プラザホール)
【リングコール】「大谷晋二郎、入場!」
大谷さんは『ZERO1』の代表です。1972年、山口市に生まれ。子供のころ、大病を患いました。アントニオ猪木さんに憧れてプロレスラーに。倒れても倒れても立ち上がる、熱いファイトが多くのファンに支持されています。
【大谷晋二郎さん】
「プロレスは絶対に、裏切らない!」
口癖は「プロレスの教科書に書いてある」。「骨は折れても心は折れない」「子供たちの言葉に耳を傾けよう」「やる気のあるヤツは、前に向かっていこうとするヤツは、生き残る」これらの言葉は全て『プロレスの教科書』に書いてあるといいます。
【プロレスラー 田中 将斗さん】
「真っ直ぐで熱い、人情深い。責任感が強い。熊本で困っている人がいたら、助けに行こうと思うのが大谷晋二郎」
『ZERO1』は「いじめ撲滅」をスローガンに かかげて活動しています。
【パブリックビジネスジャパン 萩原 宣 社長】
「いじめ撲滅を僕はやりたいと大谷さんが言い出して、我々もそういう活動を応援しようと一生懸命応援してきたつもりです」
【佐賀から駆けつけたファン 小山 幸一さん】
「すごく熱い、情熱のかたまり。いじめ撲滅というはっきりしたテーマでやり続けた信念の人です。大谷さんが作ったいじめ撲滅を若手選手が理解して体現してやってくれるところが一番の魅力です」
しかし今、『ZERO1』のリングに大谷さんの姿はありません。ことし4月10日、試合で激しい技を受けて、そのまま動かなくなり、救急搬送。頸髄を損傷して首から下が麻痺し、寝たきりの状態が続いています。
【兄・大谷裕一郎さん】
「冗談だと思っていました。妹から電話で一報があって、どうせいつものことで、そのうち立ち上がるんだろうと思っていたけど、『そんな冗談じゃないから笑うな』と怒られた」
【プロレスラー 田中将斗さん】
「やはり、そういうのを目の当たりにしてから(大谷さんが負傷してから)数試合はすごく怖かったです」
大谷さんの回復を祈り、支援しようと全国各地で募金活動が行われています。
【パブリックビジネスジャパン 萩原 宣 社長】
「(大谷さんの)お子さんは小学1年生、4月8日が入学式だった。この子のために何かしなきゃと思い、今回の応援募金を立ち上げた。大谷さんの『いじめ撲滅』で励まされたので立ち直れて、生徒会長になりました」とか思い出とか思いを持って募金してくださる方が多い」
(ビア・ホールMAN)
大谷さんがよく訪れる熊本の飲食店にも募金箱が置かれています。
【グランピングカフェ・バー ゴング 内田 雄也 代表】
「『大谷さんから今までいっぱい元気をもらったから』『恩返しがしたい』とか、みなさんのメッセージを届けることで大谷晋二郎も『よし、頑張う』と。逆に今回は僕たちが、大谷さんが言ったように『一緒に頑張りましょう』と今回は僕たちが
大谷晋二郎に言いたい。そういう気持ちでいろいろお手伝いをさせてもらっています」
【パブリックビジネスジャパン 萩原 宣 社長】
「はっきり彼が言ったのは『萩原さん達みたいな方に生かされています。そういう
気持ちを僕は忘れず頑張っていきます』と言ったんです」
10月8日、熊本の試合会場は熱気に包まれていました。
【パブリックビジネスジャパン 萩原 宣 社長】
「大谷さんが初めてツイッターでコメントを上げました。紹介させてください。僕は日々、リハビリに励んでいます。そして先日、約160日ぶりに自分自身のスマートフォンを開くことが出来ました。僕に手を差し伸べてくださった皆様、本当に心の底からありがとうございます。きっと帰って来るはずです。それまで皆さん方と一緒に応援していきたいと思います」
(妹・葉月さんに支援金を贈呈)
【大谷コール】
「大谷!大谷!大谷!大谷!」
激しい技を受けても立ち上がって反撃する。苦しみに立ち向かう勇気をその身をかけて教えてくれるレスラーたちの姿がありました。
【ジャガー横田さん】
「どんなことがあっても立ち上がってきます。きっと復活してくれると思います。
皆さん一緒に応援してあげてください」
【兄・大谷裕一郎さん】
「本当にありがたいです。みんなが立ち上がってくれているということは、今まで弟がやってきたことへの(皆さんからの)お返しかなと思いますし、弟がやってきたことはすごいと思います。恩返しをしないといけない。なんとか頑張って立ち上がって」
【大谷晋二郎さんのファン】
「僕にとって大谷さんは初めて生で試合を見た選手です。不屈の闘志で立ち上がってくれることを期待しています」
「大谷晋二郎は立ち上がる」
プロレスの教科書に書いてある。