２０２０年７月豪雨で被災した人吉市の米穀店が、１１日、経営の形を替えてリニューアルオープンします。

売りは、その日の朝に精米した炊き立てご飯のランチ。「お米をおいしく食べてほしい」という思いが詰まっています。

人吉市上薩摩瀬町にある『村口米穀店』。米粉やもち粉などが並んでいます。

店の入り口にはある印があります。

【店主 村口 隆 さん】
「ここまで来ました。当時。（背の高さよりも高い）２メートルくらいです」

２０２０年７月、人吉・球磨地方を襲った豪雨です。

店のすぐ裏には球磨川があり、茶色く濁った川の水が町をのみ込みました。

【店主 村口 隆 さん】
「ギリギリまで毎年（水が）来る。だからみんな『まぁいつものことやろ』、『ここら付近で止まるやろう』と思っていた。そうしたら（水が）超えてそれからが速かった。一所懸命、近所のおじちゃん、おばちゃんたちを避難させて」

店主の村口 隆 さんも自宅の２階に避難し命こそは助かったものの、１９５３年創業の店は無残な姿に…。

被災後、店を存続させるかどうか悩んだこともあったそうですが、「少しでも町に活気を取り戻したい…」と再開を決めた村口さんは今回、大きな決断を下しました。

【店主 村口 隆 さん】
「大変、いま米屋は。スーパーでも売っているし。米だけじゃ無理と思っていてランチを」

「米屋だからこそ米にこだわったおいしいランチを」そんな思いから、町内で生産された『ヒノヒカリ』をその日の朝に精米して提供します。

【料理担当 江嶋 虎之介 さん】
「人によって好みはあるけどぬかの風味がちょっとした方がおいしいという方もいらっしゃる。お米本来のうまさとかも精米したてのほうがより出るんじゃないかと思う」

メインのおかずは月替わりの予定で、４月は新しょうがをたっぷり使った豚のしょうが焼き。

一般的に、豚肉の表面に片栗粉をまぶし焼きますが、ここでは米粉を使います。

こちらが４月の『こめやのランチ』。

ふっくら炊き立てのご飯にしょうが焼き、それに人吉・球磨の郷土料理『つぼん汁』、米粉を使ったプリンまで付いて１０００円です。
（１日限定２０食）
（ランチは午前１１時～午後２時 お米がなくなり次第終了）

【浜田 友里子 アナウンサー】
「つやつやです。いただきます。もちもちでかめばかむほど甘みが出てきます」

しょうが焼きとの相性も抜群です。

【浜田 友里子 アナウンサー】
「鼻に香りが抜けていきます。辛味はなくて。たれとご飯でおなかいっぱいになるくらい食べられる」

さらに、お米を違う方法でも味わってほしいと、手作りのおやつも販売。

米粉でできているので小麦アレルギーを持つ方も安心して口にできます。
米粉どら焼き（３個）５５０円
米粉どら焼き・バター（２個）５００円
せんべい２５０円～３００円

【店主 村口 隆 さん】
「少しでも地元の米をみんなが消費してくれるように。せんべいも、どらやきも米にこだわって。米の普及拡大。米屋なので、やっていきたい」

新生・村口米穀店は１１日午前１１時にオープンです。

「お待ちしています！」