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南阿蘇村の専門学校『イデアITカレッジ阿蘇』で初めての卒業式【熊本】

南阿蘇村にある専門学校、イデアITカレッジ阿蘇で初めての卒業式が行われました。入学からの2年間でIT技術や観光についてのスキルを学んだ国際色豊かな学生たち。学校初の卒業生が見せる喜びの表情、そして旅立ちの瞬間を取材しました。

【イデアITカレッジ阿蘇 井手修身校長】
「もうあっという間だったというのが率直な感想で。」

2年前の4月、南阿蘇村に誕生した専門学校、「イデアITカレッジ阿蘇」。

日本人と外国籍の学生がともに学び、2年間でIT技術や観光、国際ビジネスの知識を身につけます。

熊本地震の影響で村から東海大学が移転する中、イデアの開校で再び若者が定住。

そしてこの日、初めて卒業生を送り出しました。

「卒業生、入場」

イデアITカレッジ阿蘇では、IT企業や、ホテル・旅館などの観光業界と連携。

企業側が学生に求めるスキルを在学中に身につける『注文式教育』を実践しています。

学校側は卒業後の就職までフォローするのが大きな特長です。

【井手校長】
「卒業証書、シワンカル・パラビ・アショク。」

インド出身のパラビさん。

AIの技術者を目指し、南阿蘇村の学生マンションに住み込んで勉強してきました。

卒業研究のテーマはITを使った農業分野の研究です。

センサーやタイムラプスのカメラを駆使してデータを収集、効率的に作物を育てる
方法を模索しました。

【シワンカル・パラビさん】
「何回も先生たちに聞いて相談して『わからない、教えてください。』何回も何回も聞いて迷惑かけたと思うけど、それくらい(真剣に)聞いて学んできた。」

パラビさんの部屋の大家で食事の世話もしてきた竹原伊都子さんが卒業式に出席しました。

【パラビさんの大家 竹原伊都子さん】
「この子たちが入学してきたときたった2年前なんですけどすごく成長してるんですよ。」「励みになります、(若者を)社会に送り出すのが。」

【シワンカル・パラビさん】
「いまはめっちゃ嬉しいです。2年頑張ってきてきょう卒業できたから。」
「世界中の人たちと出会って友達になれたことが一番楽しかったです。」

南阿蘇の生活が大好きだったと話すパラビさん。

イデアで学んだスキルを生かし、卒業後はIT関連の企業で「自分だけのAIを作る」という夢を追いかけます。

一方、阿蘇で生まれ育ち高森高校から進学した森田愛菜さん。

イデアITカレッジで学んだ観光業のスキルを生かし地元の発展に人生を捧げることを決めました。

【高森高校出身 森田愛菜さん】
「内牧温泉の蘇山郷さんに就職させていただきます。」
「30年後の夢や目標もできてこの学校で学んだ意味があるなとすごく思います。」

そんな森田さんを見守るひとつの眼差し。

就職先となる老舗温泉宿・蘇山郷の永田祐介社長も駆け付け、門出を祝いました。

【蘇山郷・永田祐介社長】
「2年前、ゼロから学校がスタートしてそこでしっかり学ばれて」
「(森田さんには)ここで得た知識ですとか経験をウチの企業にもフィードバックしていただきたい。そういう思いがありますんで。」

【花束携えて手渡す】

【高森高校出身 森田愛菜さん】
「来てくださると思ってなかったのでとてもうれしいですし4月から頑張ろうっていう気持ちです。」「蘇山郷で働いてマーケティングの視点を学びつつ、それが30年ごとか自分のキャリアにつながっていくといいなと思って。」「農家民宿を経営することが目標です。」

自身も南阿蘇村出身の井手修身校長、熊本地震で被害を受けたふるさとを盛り上げようと専門学校を立ち上げました。

設立を決意してから11日までの思いが胸をよぎります。

【イデアITカレッジ阿蘇 井出修身校長】
「5年前にこの学校を作ろうと。(学生を送り出す)この景色を・・・。この景色を
想像してたんです。」「きょうみんながこの場所にいて社会人へスタートするのを
送り出せて。」「奇跡の集大成だと思います。」

ゼロからスタートし28人の若者が巣立ったイデアITカレッジ阿蘇。

多様な人材が多様な未来を拓く、そんな風景が南阿蘇村に広がっています。

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