熊本のニュース一覧

6.26白川大水害の教訓を後世に語り継ぐ 熊本市立小学校で防災授業

71年前、県内で500人以上の死者・行方不明者を出した6.26白川大水害の教訓を後世に伝える取り組みです。

熊本市の小学校で21日、『防災授業』が行われ、当時、小学3年生だった男性が経験を語りました。

【田尻 康博さん(80)】
「当たり前ではあるけども人間は自然の災害には絶対に勝てません。「今まで大丈夫だったから」では、だめなんです」

熊本市立大江小学校で6年生135人を対象に開かれた「防災授業」です。

1953年の6月26日に発生した白川大水害の教訓を後世に伝え続けようと、国土交通省や地元の防災連絡会などが共同で企画しました。

授業では当時、大江小学校の3年生だった田尻 康博さんが経験を語りました。

【当時小学3年生 田尻 康博さん(80)】
「「どうせ白川は氾濫しない」と思って、みんな家にいた。そしたら夜の9時50分に土手が決壊して130軒2百何十人が下流に流されてしまった」

記録的な豪雨によって白川が氾濫し「150年に1度」といわれる大洪水が発生。

大江校区では家屋130戸が流され、200人以上の死者・行方不明者を出しました。

【田尻 康博さん(80)】
「71年前と違うことは『情報』です。71年前は「絶対に水害は起きない」「起きないだろう」「起きないでほしい」とみんな祈っていた。今は違います。テレビ、パソコン、スマホ、事前に情報が手に入る時代。命を守ることができる時代。命は守れるんです」

田尻さんは当時の経験を振り返りながら「早めの避難の大切さ」を訴えました。

また、ハザードマップを基に作成したAR拡張現実を活用した浸水予想が示されると…。

学校の近くの道路や公園などが浸水していく様子に、児童たちは驚きの声を上げていました。

【6年生】
「遊んだことのある公園で身近な公園だったので、びっくりしました。他人ごとだと思わずに常に自分の事だと思って考えていきたい」

【6年生】
「いつ水害が起こるかも分からないし、明日起こるかもしれないので、水害に対する(備蓄)、水や缶詰をストックするなど簡単にできることからやっていきたい」

このARを活用した授業は県内で初めてで、国交省は今後、広く学校教育に取り入れてほしいとしています。

プッシュ通知でTKUの番組やイベントの
最新情報をお届けします!