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国指定の名勝『松浜軒』倒壊の恐れある長塀の修復始まる【熊本】

八代市の国指定の名勝『松浜軒』で、倒壊の恐れのある長塀の修復工事が始まりました。修復工事は来年度に完了する予定です。

松浜軒は、肥後細川藩の家老で八代城主だった松井直之が母親のために建てたお茶屋で、国の名勝に指定されています。

初夏には肥後花菖蒲、秋には紅葉と、城下町八代の歴史を今に伝える庭園があり、園を取り囲むように長塀が建てられています。

この長塀、ある理由で倒壊の恐れがあるといいます。

【松井家第14代当主 松井 葵之 さん】
「この辺が全体的に根が土を掘り起こしておりまして、塀まで下から抱え上げているんです」

松井さんによりますと、樹齢100年を超えるとされるクスノキの根が庭園東側の長さ32メートル、高さ2メートルの長塀の基礎部分に達し、長塀の一部を持ち上げているということです。

【松井家第14代当主 松井 葵之 さん】
「文化財の専門家に見てもらったら、この木は文化財にとって支障木だと。この木に対しては残念な思いですが、今回は除去しようと」

塀の通り沿いは通学路で、災害時には長塀が倒壊する恐れがあります。

修復工事は約5000万円かかるということで、松井家にゆかりのある団体などは実行委員会を作り、クラウドファンディングを実施。

全国からの寄付は目標額の2倍以上となる3700万円に上り、国などの支援もあって、このほど修復工事が進められることになりました。

この日は起工式が行われ、関係者が工事の無事を祈願しました。

【松井家第14代当主 松井 葵之 さん】
「おかげさまで、やっと工事が始まります。多くの浄財をお寄せいただき心から感謝しています。完成まで見守ってください」

今後、8月にクスノキの除去作業が始まり、その後、長塀の解体や調査が行われ、修復工事は来年度に完了する予定です。

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