熊本のニュース一覧

障害がある子どものために触って読める布の絵本づくり【熊本】

天草市で障害がある子どものために触って読める布の絵本を作るボランティアグループがあります。40年にわたって受け継がれてきたメンバーたちの思いを見つめます。

海を渡る風が起こしたさざ波が大きくなっていくように。
それがほんのわずかでも。
ひと針、ひと針にそんな願いが込められています。

【入部一代さん】
「山の頂上で突然、校長先生がうずくまってしまいました。大変だ、どうしようどうしよう。たすけてー、校長先生がたいへんだー。ひつじ君は夢中で叫びました」

この絵本のタイトルは『くまのこうちょうせんせい』。

神奈川県の小学校で、末期ガンと闘いながら子どもたちに命の尊さを語り続け、亡くなった校長先生の実話をもとにした物語です。

これをもとに布の絵本を作っているのが『さざなみ文庫』。
天草市の60代から80代の主婦8人で活動するボランティアグループです。


【大窪 久代 会長】
「障害を持った子どもの機能回復のための絵本作りで40年前に始まったんです」

きっかけは40年前、1人の女性が天草の社会福祉協議会から布の絵本を見せてもらったことでした。

それは熊本市のボランティアグループ『ひまわり文庫』が作ったものでした。

「自分も社会のために役立ちたい」その女性はメンバーを集め、同じような布の絵本作りを始めました。

活動は、地元の婦人会や退職した学校の教員など合わせて40人でスタート。

当時のメンバーは現在いませんが、「障害のある子どもに楽しんでもらいたい」
という思いは受け継がれています。

毎月第2金曜日に天草市社会福祉協議会本渡支所に集まります。

これまでに海辺に住む子どもの姿を描いた『だいちゃんとうみ』や、宝物のベッドが突然なくなった『そらまめくんのベッド』など133冊を作ってきました。

1冊作るのに半年かかるものもあります。

【入部一代さん】
「絵が簡単というか、単純化されたもの、ストーリーももちろん,気になるところですね。天草の私たちにピンとくるものを選んでます」
「今は何をされていたのですか?」
「原画を(型紙に)写して、これを今から切り取って、布に写します」

【吉田瀧子さん】
「みんなでするから出来上がる。だから、みんなと、この8人で集まるのが楽しみです」

作っているのは絵本だけではありません。釣りや輪投げ、すごろくなど、子どもも大人も楽しめる遊具もこれまでに200点以上作りました。


『さざなみ文庫』は外に出ることもあります。

『天草こどもフェスティバル』。

子どもたちに楽しんでもらおうと天草市社会福祉協議会が企画しました。

輪投げやボールプールフラフープなど自由に遊ぶことができます。

『さざなみ文庫』はマジックテープを付けたボールを投げてキャッチする遊具と布の絵本を持って行きました。

「これなんだ?」「にんじん!」

子どもたちはもちろん、大人も布の絵本を楽しんでいました。

「立体的に触って遊べるところがすごくいいです」
「遊びながら学べるというところが、いいなと思います」

「だるまさんが、どて」「だるまさんが、ビローン」
(布の絵本はいかがですか?)
「触れるから、紙と違っていいかなと思いました」

(馬場 昭治 天草市長)
「障害者の方に優しい絵本作りということで」(中略)「本当にありがたいことですし、ぜひこの活動を続けていただいて」「誰もが幸せに暮らせる天草づくりにご貢献いただけたらと思います」

さざなみ文庫は多くの人に布の絵本を楽しんでもらおうと、障害者施設への訪問活動も行っています。

見て、触って。
布の優しい手触りと共に、絵本の新たな楽しみ方を伝えています。

【大窪久代 会長】
「ボランティア仲間がほしいです。一人でも私たちの仲間にかたっていただけたらうれしいです」

【田中千鶴子さん】
「出来上がりがすごく楽しみ。ひと針ひと針、めんどくさいと思いながらやってます。でも、出来上がるとすごくうれしいです」

【入部一代さん】
「ひょっとしたら、(誰かの)役に立つかな、喜んでもらえるかな、というのが
エネルギーになっています」ひと針、ひと針、丁寧に。

触って楽しんでくれた子どもたちの心が明るくなるように。

それがほんのわずかでも。

海を渡る風が起こしたさざ波が大きくなっていくように。

プッシュ通知でTKUの番組やイベントの
最新情報をお届けします!