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出演者は100人以上 熊本シティオペ協会主催のオペラ『カルメン』5月19日(日)熊本県立劇場で上演へ

熊本県立劇場で5月19日(日)に上演されるオペラ『カルメン』。日本、イタリア、韓国のトップ歌手をはじめ、熊本の合唱団など出演者は合わせて100人を超えます。熱を帯びる稽古に密着しました。

(4/6 熊本県立劇場演劇 リハーサル室)
稽古を重ね、演奏と演技に磨きをかけていく。繰り返し、何度も。

『世界で最も人気のオペラ』、そう評される作品の幕は19日に上がります。熊本シティオペラ協会が5月19日に熊本県立劇場演劇ホールで上演するジョルジュ・ビゼーの代表作オペラ『カルメン』全4幕。

舞台は19世紀のスペインの都市セビリア。たばこ工場で働く自由奔放で妖艶なカルメンに恋をした衛兵ドン・ホセが、仕事も婚約者も捨て、やがて悲劇が訪れる物語です。

主人公のカルメン役は初めて日本のステージに立つ、エリカ・コルテーゼさん。去年、イタリアで行われた国際コンクールに出場した際、審査員を務めた熊本シティオペラ協会の佐久間 伸一 代表が注目し、表彰式で出演を依頼しました。

【総監督/熊本シティオペラ協会 佐久間 伸一 代表】
「もうびっくりしました。あまりにも素晴らしいので。カルメンに、とにかくぴったりなんです。これはもう彼女を抜擢しようということで、ぜひ出演していただきたいと。『とにかく最善を尽くして頑張る』と言ってくれましたので、楽しみだなと思って」

カルメンの魅力に惑わされるドン・ホセ役は、おととしの『ジュディッタ・パスタ記念第1回熊本復興国際オペラ歌手コンクール』で優勝した前川 健生さんです。

【ドン・ホセ役 前川 健生さん】
「熊本は私にとって結構、ご縁があるかなと思っておりまして、今回は大きい役をいただいて、とても楽しみにしています。甘いメロドラマもあれば、激しいシーンもあって、ドラマとしても面白くて合唱やフラメンコダンスもあって、いろんなところで楽しめる演目で、『これぞオペラ』という舞台になるよう頑張りたいと思います」

ドン・ホセの婚約者ミカエラ役は、第2回熊本復興国際オペラ歌手コンクールの受賞者、金城 理沙子さんが務めます。高校時代、沖縄で佐久間さんのオペラを見ました。

【ミカエラ役 金城 理沙子さん】
「今回、出演させていただけることが大変うれしく、歌で純粋さだったり、最後は劇的な場面になるんですけど、そういう表現を出せるかなと、頑張っているところです」

カルメンをめぐって、ドン・ホセの恋敵となる闘牛士役には、韓国のトップバリトン歌手のマンスー・キムさんを迎えます。

日本、イタリア、韓国のソリストが一堂に会するオペラの地方公演は珍しいといいます。今回はフランス語での上演。プロジェクションマッピングを使って舞台の背景に映像と日本語の訳を映し出し、観客に存分に楽しんでもらう工夫も用意されています。

熊本の合唱団、管弦楽団、バレエやフラメンコ団体など総勢100人以上が出演します。それぞれが稽古を重ね、時間を合わせて集まり、本番を目指します。

演出は日本を代表するオペラ演出家・中村 敬一さんです。

【演出 中村 敬一さん】
「カルメンというと、赤いバラの花をくわえた妖艶な女性が出てくるシーンを思い浮かべると思うんですけれども、オペラの中で一番、一般のお客さんが知っていらっしゃる作品だと思うんです。ですから皆さんの期待を裏切らないこと、もう一つ逆に言えば、いい意味の期待を裏切られるような新しい発見がこの作品を上演する時の大きなカギかなと思っています」

楽譜に忠実に歌うことが求められていました。

【演出 中村 敬一さん】
「とらわれるものではなくて、そこから羽ばたくために書かれているものが楽譜なんです。ですけど、羽ばたくためには一度、丁寧にやっぱり楽譜に書かれていることをやってみる。納得したところで、それがまた変わっていくと、いい意味で、また楽譜から離れることもできると思うので、まずは一回、立ち返るところをきちんとやっていくことが大事だと思っています」

「オペラは難しい」と思われがちですが、佐久間代表は「普通のコンサートのつもりで見てほしいと」と語ります。

【総監督/熊本シティオペラ協会 佐久間 伸一 代表】
「たくさんのその名曲がちりばめられているオペラで、こういうこの場面でこういう曲が流れてるんだなと、テレビのコマーシャルでやってたなとかですね。格式張った感じのオペラじゃありませんので、気楽な気持ちで普通のポピュラーのコンサート、と同じような気持ちで足を運んでいただければいいなと思ってます」

佐久間代表は御船町の出身です。父が自衛官の家庭に育ちました。

【総監督/熊本シティオペラ協会 佐久間 伸一代表】
「(子どもの頃から)ずっとオペラをやりたかったんです。その当時、オペラを考える人間はほとんどいませんでした。親父も音楽関係ではなくて、自衛隊に勤めておりましたので、音楽には全く関係のない家庭に育ちましたもので。ただ、おふくろが歌が大好きで、合唱とか(歌を)口ずさんだり、家事をやりながら、そういう中で影響があったのかと思います」

親の反対を押し切って上京。アルバイトで学費を稼ぎ、声楽を学びました。コンクールで受賞してようやく親に認められ、本場イタリアで修業しました。帰国後、熊本でオペラ団体を立ち上げ、苦労の連続でしたが、若い頃に抱いた「オペラをやりたい」という思いを、77歳になった今も貫き通しています。

【総監督/熊本シティオペラ協会 佐久間 伸一 代表】
「生の舞台、生の舞台は全然違いますので、臨場感がすごいので、視覚的にも非常に楽しめる舞台になります。楽しみにおいでいただければと思います」

熊本シティオペラ協会主催、オペラ『カルメン』は熊本県立劇場演劇ホールで今月19日・日曜、午後2時開演です。

(問い合わせ)公演事務局 080‐2713‐5717

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