文部科学省より学校の健康診断での服装や実施方法について、児童生徒のプライバシーに配慮するよう、都道府県の教育委員会などに今年1月22日付けで通知がありました。
正確な検査や診察に支障がない範囲で、原則、上半身裸ではなく体操服やタオルで体を覆い、配慮するよう求めていますが、この通知を受け、原則着衣という報道が広くなされました。
報道の見出しなどでは正確な検査や診察に支障がない範囲という部分が抜け落ちてしまっており、誤解を招いているのではないかと心配しています。　

学校健診の大きな目的は、児童生徒の皆さんの現在の健康状態が学校生活をする上で問題がないか確認すること、将来の健康に関わる病気を早期に発見し適切な治療につなげることです。
そのためには心臓や呼吸の音を聞いたり、胸の動きや皮膚や骨の状態などを診察する必要がありますので、正確な診断のために脱衣が望ましい場合もある事のご理解を頂ければ幸いです。

残念なニュースもあり、児童生徒や保護者の方々の不安がなくならないのも大変よく分かります。
学校健診について心配な事がありましたら、学校へご相談いただくと良いと思います。
私たち医師は研修を通し、スキルアップに努力していきます。そして児童生徒のプライバシー、心情に配慮した診察環境を整えるのは、学校の責務となっております。
家庭、学校、医療が協力して大切な児童生徒の心も含めて健康を守っていきましょう。