曜子先生の女性教室

曜子先生の女性教室

毎週火曜よる9:54 OA
知っているようで意外と知らない女性の体について、福田病院の福田曜子先生が皆さんからの質問に答えます。
愛育会 福田病院 産婦人科 福田 曜子先生
OA

「無痛分娩(1)」

無痛分娩は、日本では、まだあまり普及していませんが、諸外国では一般的な出産方法です。
         
赤ちゃんが産道をくぐりぬけて生まれてくる過程で、お母さんは、子宮が収縮する痛みや、腰・骨盤・外陰部が圧迫される痛みなどの『陣痛』を感じることになります。
無痛分娩は、この痛みを、麻酔によって和らげる方法です。
麻酔を使う以外は、通常のお産と同じで、赤ちゃんは産道を通って生まれてきます。
無痛とはいっても、完全に痛みがとれるわけではなく、陣痛に合わせて『いきむ』ことができるよう、陣痛が分かる程度、全体の2~3割の痛みに抑えることが理想とされています。

日本をはじめ、多くの国で行われている無痛分娩の鎮痛方法は、『硬膜外麻酔』を基本としたもので、下半身の痛みだけをとる方法です。
硬膜外麻酔は、脊髄をおおっている硬膜という膜の外側の硬膜外腔に、細くて柔らかいカテーテルを挿入し、局所麻酔薬を入れて痛みを和らげます。
局所麻酔なので、意識は はっきりとしていて、赤ちゃんが生まれてすぐに抱っこすることもできます。

無痛分娩のメリットとしては、陣痛や分娩中の痛みが軽減され リラックスしてお産に臨めること、疲労が少なく 産後の回復が早いこと、産後うつの発症が少なくなることなど。
デメリットとしては、麻酔の副作用で感覚・筋力が低下し、お産の進みが遅くなり、陣痛促進剤などの産科的な医療介入の頻度が高くなること、大変まれではありますが、重症の麻酔合併症を引き起こす可能性、合併症の予防・早期発見のため、モニター装着や点滴などの処置、絶食、ベッドで安静にしておくなどの行動制限があること、などです。

次回は、福田病院で実施している無痛分娩について、お話します。

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