曜子先生の女性教室

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毎週火曜よる9:54 OA
知っているようで意外と知らない女性の体について、福田病院の福田曜子先生が皆さんからの質問に答えます。
愛育会 福田病院 産婦人科 福田 曜子先生
OA

「子宮内膜症」

子宮内膜症は、月経がある女性のおよそ1割が発症し、その多くが20代~30代での発症で、ピークは30歳~34歳頃といわれていますが、10代後半でも起こる病気です。

子宮内膜は、子宮の内側の壁を覆っているもので、女性ホルモンの影響により、月経周期に合わせて増殖し、妊娠が成立しなかった場合は、はがれ落ちて血液とともに排出されます。これが月経です。

子宮内膜症は、子宮内膜またはそれに似た組織が、何らかの原因で、子宮の内側以外の場所にできてしまう病気です。
子宮内膜症は、正常な子宮内膜と同じように、女性ホルモンの影響で増殖し、月経のときには出血が起こりますが、血液を外に出すことができないため、溜まった血液が炎症や周囲の組織との癒着を引き起こします。

代表的な症状は、全体のおよそ90%にあらわれる月経痛で、そのほか、腰痛や下腹部痛、排便痛、性交痛などがあり、妊娠を希望する子宮内膜症患者の およそ30%に不妊があるといわれています。
また、閉経を迎えると、女性ホルモンが減少するため、症状は軽減します。

子宮内膜症は良性の病気ですが、月経を重ねるごとに進行し、症状も強くなるので、早めに治療を開始することが大切です。
治療法は、大きく分けて薬による治療と手術による治療があり、症状の種類や重症度、年齢、妊娠の希望などにより判断して、最適な治療法を選択します。
また、妊娠した場合、月経が止まると症状が安定するので、治療は行わず経過観察をします。

子宮内膜症は、どの治療法を選択しても将来的に再発する頻度が高く、稀ですが、がん化する場合もありますので、長期にわたる経過観察が必要になります。

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