曜子先生の女性教室

曜子先生の女性教室

毎週火曜よる9:54 OA
知っているようで意外と知らない女性の体について、福田病院の福田曜子先生が皆さんからの質問に答えます。
愛育会 福田病院 産婦人科 福田 曜子先生
OA

「妊娠高血圧症候群」

妊娠高血圧症候群は、以前 妊娠中毒症と呼ばれていましたが、病気の主体が高血圧であることが分かってきたため、2005年に名称が変わりました。

妊娠中の高血圧は、すべて妊娠高血圧症候群と呼ばれます。
高血圧のみを発症する『妊娠高血圧症』や、高血圧に加え タンパク尿、肝臓や腎臓の機能障害を伴う『妊娠高血圧腎症』、妊娠前から高血圧であった場合の『高血圧合併妊娠』も含まれます。

妊娠高血圧症候群は、妊娠前の血圧に関係なく、誰にでも起こりうる病気で、お腹の赤ちゃんの成長とともに、お母さんの血液量も増えていくため、妊娠後期に近づくほど発症しやすいといわれています。
発症後も、妊娠経過とともに血圧が上がりやすくなるため、早く発症するほど重症化しやすい傾向にあり、特に、妊娠34週未満で発症した場合は、重症化しやすく、ハイリスク妊娠となります。

原因は、はっきりと分かっておらず、唯一の治療法は妊娠の終了であるため、治療は、安静を保つことや、入院による適切な管理が中心となります。
また、妊娠の継続がお母さんと赤ちゃんにとって良くないと判断された場合は、緊急帝王切開が行われることもあります。

妊娠高血圧症候群になりやすい妊婦さんの特徴としては、もともと糖尿病・高血圧・腎臓の病気などを持っている、肥満、高齢出産、多胎妊娠、初産、高血圧の家族がいる、以前 妊娠高血圧症候群になったことがあるなどです。

妊娠高血圧症候群は、重篤な合併症を引き起こすことも少なくありません。
重症化した場合には、母子ともに大変危険な状態になることもあるため、定期的な妊婦健診は、きちんと受けましょう。

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