曜子先生の女性教室

曜子先生の女性教室

毎週火曜よる9:54 OA
知っているようで意外と知らない女性の体について、福田病院の福田曜子先生が皆さんからの質問に答えます。
愛育会 福田病院 産婦人科 福田 曜子先生
OA

「常位胎盤早期剥離」

常位胎盤早期剥離は、発症してから病院で対応するまでの時間が早いほど、母子へのリスクを減らすことができるといわれているため、いつもと違う症状があった場合には、すぐに病院へ連絡することが大切です。

通常 胎盤は、赤ちゃんが生まれたあと、子宮壁から はがれ落ちますが、常位胎盤早期剥離では、赤ちゃんが生まれる前に、胎盤が はがれてしまいます。
胎盤には、へその緒を通して お母さんから赤ちゃんへ、酸素や栄養を送る役目があるため、赤ちゃんがお腹にいる状態で、胎盤が はがれてしまうと、酸素や栄養が赤ちゃんに届かなくなり、非常に危険な状態になります。
また、同時に、子宮壁から出血が起こるため、大量出血の可能性があり、お母さん自身にも命の危険が及びます。

常位胎盤早期剥離になりやすいのは、妊娠28週~34週頃とされていて、発生頻度は、全分娩の0.5%~1%程度と多くありませんが、
常位胎盤早期剥離になった10人~15人に1人の割合でお母さんが亡くなり、半数以上で赤ちゃんが死亡するという報告があります。

常位胎盤早期剥離の 主な症状と特徴は、突然の激しい腹痛、持続的な痛み、多めの出血、お腹が板のように硬く張る、胎動の減少、腰痛、めまい、便意などですが、全てが同時に起こるとは限らず、前触れもなく突然起こり、急に状態が悪化することが多い疾患です。
初期段階では、出血はごく少量のため、おりものに血が混じる程度でも注意します。
治療の原則は、可能な限り速やかに分娩を行うこととされていて、多くの場合は、緊急帝王切開が行われます。

今のところ予防法はありませんが、いつもの様子と違うことや、日頃から胎動を気にかけておくことが早期発見につながります。

プッシュ通知でTKUの番組やイベントの
最新情報をお届けします!