曜子先生の女性教室

曜子先生の女性教室

毎週火曜よる9:54 OA
知っているようで意外と知らない女性の体について、福田病院の福田曜子先生が皆さんからの質問に答えます。
愛育会 福田病院 産婦人科 福田 曜子先生
OA

「妊娠初期の出血」

妊娠初期の出血は、めずらしいことではなく、妊婦さんのおよそ30%が経験するといわれています。
出血があっても問題のない場合もありますが、中には重大なトラブルにつながるケースもあるため、自己判断はしないようにしましょう。

少量でも出血がみられたら、通院中の病院に連絡し、医師に診断してもらうのが原則です。
連絡するときには、母子手帳を手元に用意して、妊娠週数、出血の色や量、お腹の痛みなど、できるだけ詳しく伝えましょう。

妊娠初期の、緊急度が低い出血の原因としては、妊娠初期に起こる出血の中で一番多いといわれている、受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる『着床出血』、内診時の刺激によって起こる『内診後の出血』、子宮の入り口付近の子宮頸管の内側がホルモンの影響でただれている『子宮膣部びらん』、子宮頸部にできる良性のポリープが刺激を受けて出血する『子宮頸管ポリープ』などがあります。

妊娠初期の、注意が必要な出血の原因として、受精卵が、胎盤のもとになる絨毛組織を 子宮内膜に伸ばしていく過程でできる血のかたまりから出血が起こる『絨毛膜下血腫』は、通常、自然に吸収されて消失しますが、出血量が多いと治療の対象となります。
そのほか、子宮収縮により少量の出血があり、お腹の張りや痛みを伴うこともある『切迫流産』は、安静にして過ごし、診察で赤ちゃんの心拍が確認できれば、心配はありません。
また、30代に増加中で、妊娠中に見つかることが多い『子宮頸がん』は、不正出血などの症状がありますが、自覚症状がない場合が多く、進行度に応じた治療が必要になります。

出血といっても、茶色いおりもののような出血や、ごく少量の出血もあります。『このくらいなら大丈夫』と見過ごさず、必ず受診してください。

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