曜子先生の女性教室

曜子先生の女性教室

毎週火曜よる9:54 OA
知っているようで意外と知らない女性の体について、福田病院の福田曜子先生が皆さんからの質問に答えます。
愛育会 福田病院 産婦人科 福田 曜子先生
OA

「産後に気をつけたい症状」

産後、お母さんの体が妊娠前の状態に回復するまでのおよそ6週間~8週間を『産褥期』といいますが、さまざまなトラブルが起こりやすいため注意が必要です。

『産褥熱』は、産後24時間以降 産後10日以内に、2日以上、38度以上の熱が続くもので、分娩時にできた子宮などの傷から細菌に感染することで起こります。
重症になると、敗血症を引き起こすこともあり、治療が遅れると命に関わる病気です。

『子宮復古不全』は、産後の子宮収縮が遅れている状態のことです。
原因はさまざまですが、胎盤や卵膜の一部が子宮内に残っている、子宮内の感染 などが考えられます。
産後1、2週間を過ぎても、大量の出血があったり、出血が続いている場合には、病院に相談しましょう。

『乳腺炎』は、何らかの理由で、乳腺が炎症を起こし、痛みや腫れ、発熱を伴う状態で、乳汁が乳腺の中にたまることで起こる『うっ滞性乳腺炎』と、乳頭から細菌感染を起こす『化膿性乳腺炎』とがあります。
痛みや発熱、乳房の違和感を感じたら、すぐに病院を受診しましょう。

また、産後1週間~2週間くらいまでに起こる、一過性のうつ状態を『マタニティブルーズ』といいます。
産後に急激なホルモンバランスの変化が起こることや、出産によるストレス・疲労、育児による心身の疲れなども関係しているといわれています。
情緒が不安定な状態は、産後2週間を過ぎるころには自然と改善していくのが一般的ですが、その後も症状が続く場合は、産後うつの可能性があるので、注意が必要です。

産後のお母さんは、出産という大仕事を終えて、すぐに育児が始まるため、疲れが溜まりやすくなります。
最初から頑張りすぎず、体の回復に合わせて、徐々に普段の生活に戻していきましょう。

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