曜子先生の女性教室

曜子先生の女性教室

毎週火曜よる9:54 OA
知っているようで意外と知らない女性の体について、福田病院の福田曜子先生が皆さんからの質問に答えます。
愛育会 福田病院 産婦人科 福田 曜子先生
OA

「胎盤について」

胎盤は、お腹の赤ちゃんが元気に育つために必要不可欠なものです。
胎盤は、受精卵が子宮内膜に着床し、細胞の一部が変化して形成される器官で、通常、子宮の上部に はりつき、赤ちゃんと一緒に成長します。
胎盤は、多くの血管の集合体のようになっていて、中は血液で満たされています。
胎盤から伸びたへその緒は、赤ちゃんの おへそとつながっており、血液を通して、酸素や栄養・水分が赤ちゃんに送られ、赤ちゃんの体から排出された二酸化炭素や老廃物が胎盤で処理されます。
胎盤は、赤ちゃんの肺や肝臓・腎臓など、臓器の役割を担っているほか、有害なものが赤ちゃんに届かないようにフィルターの役目をしたり、妊娠継続に必要なホルモンを作ったり、免疫機能も備えています。

胎盤が完成するのは、妊娠4ヶ月後半の妊娠15週~16週頃で、完成すると、自然流産のリスクが減少することなどから、安定期と呼ばれる時期に入ります。
卵黄嚢という部分から栄養を補給して成長していた赤ちゃんは、胎盤の完成とともに、栄養補給先を胎盤に切り替え、お母さんから栄養を受け取るようになります。
完成時の重さは、およそ100gほどですが、赤ちゃんと共に成長して、出産直前には、500g~600gほどまで大きくなります。
出産直後、役目を終えた胎盤は、軽い陣痛のような痛みとともに、子宮から剥がれ落ちて体外へ排出され、お産が終了となります。

主な胎盤の異常として『常位胎盤早期剥離』という、正常な位置にある胎盤が、赤ちゃんの生まれる前に剥がれてしまうことがあります。
母子ともに危険な状態になるため、早期発見・治療が大変重要です。

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